思いつきの効能
「静電気。もしくは、
自分に言い聞かせる。
「ファッツ? ホワイ?」
古文書や辞書を片っ端から調べ上げる。
「あんたねぇ。あたしじゃないと
「
「うん。
「今日は、
途方に暮れていた時、ふと、古書のページの端に、小さな絵が目に入った。それは、図書館の図面の一部のように見えた。
「もしかして、この本は、図書館のどこかに隠された宝物を示しているのかも?」
「いっ痛ぁ~ッ!」
「ないわよ。そんなん」
ジト目を貼りつけ、
「ちぇー」
「あ、普通に話せる」
「で、どうしたのよ? それ、どこの本? ウチのじゃないわよ」
「いつもの小説
「ま、マジかぁ~?」
チャー、と
「どゆこと? てか、戻ろうよぉ~。
「わかった。わかった」
★ ☆ ◇ ☆ ★
「この図書館には秘密があるの。
事務室に職員は、
「時代の
「なんで疑問形? あと
軽い。
「いやぁ、知らなくていいことは、
「ヒナっちが、見た書架は、きっと発明家の落書きかなんかだよ。なんかインスピレーション湧いてない?」
「えぇ~。なに、そのメンドーそうな響きぃ~」
ヒナは、ゲンナリと嘆息し、机の上に置かれた端末に目を止める。
「ま、また…い、いやぁ…」
「パスワード?」
出だしで詰まって、涙目で懇願。
「
端末を受け取った
「えぇ~、あたし
「奇遇ね。あたしもよ。でも、あたしと
「それなら、いいけどさ。でも、知らないのが、ウザ絡みしてくんでしょ?」
「できないわよ。こうして、クラウドストレージの物理ファイルを、仮想記憶に見立てて、共有すればね」
ターンっと快音を響かせ、
「な、なに言ってるのかわかんないんだけど…」
「
「文学少女のあたしでも、人工知能にコードを書いてもらえば、これこの通りッ! 伝説の名作、テキストベースRPG「ローグ」もどきの完成よ!」
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#S #
# #######
# #######
# ########
# G#
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画面には、文字列で表現されたダンジョンに、一文字だけのキャラやモンスターが。
「地味だね」
「地味と言うなかれ。ここに様々なルールを付加して――」
いつしか、2人は中学校の休み時間にやっていた
「
「あ、館長さん。こんにちわ~」
「それ、悪いことにも使えるからね~。大手のクラウドストレージは、セキュリティも万全で、無償で誰でも使えるけど。悪い人が連絡手段として利用できちゃうんだよね~」
ポソリと独り言。ファイル共有をメール代わりに使えば、確かに足は付きづらい。勿論、当局が本気になれば特定されるのだが。
「ほら、メンドーじゃん!」
「いや、知らんがな」
図書館のふたり いやさかキッキ @iyasakakikki
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