4話「白真とオトギリ」
「おいおせーぞ、椿!!」
「カイオウすまん!」
後ろから現れたのはカイオウと呼ばれた青年だった。
「ったく仕方ねーなー、まぁいいそいつが例のか??」
「ああ!」
「兄さーん、そろそろ入学試験だよー!!弟の晴れ舞台見に行こうよ~!!」
「へいへい今行くよ、アルト」
また声がする方を向くとアルトと呼ばれた青年がいた。すると椿が慌てるように口走る。
「ええ!?もうっ??早くない??澪奈に零、早く行くよ!!」
「それはおめぇがおせぇからだよ」
「うっさい!カイオウ!!」
ぎゃいぎゃいと言い合うカイオウと椿を横目に見ながら澪奈と零はあとを追うように走っていく。白真は面白がりながらやれやれと肩をくすめていた。
「やれやれ、先が思いやられるぜほんと」
「ほんとだよー!!」
後ろからにこやかな笑顔で現れた茶髪でギザ歯の青年はそう言いながら白真の隣に座る。
「なんだ、いたのかオトギリ」
「いちゃ悪いか?」
「いや悪くねぇよ、んで要件はなんだ?」
「別に用はねぇよ、ただ様子を見に来ただけだしな。強いて言うならザクロス一派が動き出したとだけ」
オトギリは遠くへ見つめながらそう話していく。
「そうか」
「なぁ良いのか?白真、椿にコスモスのこと言わなくてさ??あいつは今でもあの子のこと好いてるんだぜ?」
「良いんだよ、これで」
悲しそうな顔で白真が言う、オトギリはため息をつきながらそう言う。
「しらねーぞ、いつか知られるからなコスモスが悪魔であること……そしてザクロスの元に居ることも」
「ああ、知って……はぁ!?コスモスがザクロスの元にいるぅ!?」
「ああ、正確にはザクロスにマインドコントロールを受けていて側に居るようなものだがな…」
「ま、マジかぁ……」
「俺は忠告はしたからな!後はどうなっても知らねーからな!」
オトギリはそういうとその場から去っていく。
「ちょっ……行ったし……もう、ったくあいつは何なんだお節介だっつーの……それくらい知ってるわ。だって仕方ねぇだろ、椿がコスモスを好きでいるのも椿が悪魔を毛嫌いしてるのもコスモスが悪魔であるのも全部、全部知ってんだから、だからってどうしたら良いんだよ…コスモスは悪魔である以前にあのゼウス様とルシファーの娘なんだぞ……二人を引き離すことなんか極力したくねぇんだよ、なぁどうしたら言いと思う?相棒、俺はお前に合いたいよ」
白真は独り言を呟きながら空を見る。
呪われた双子兄妹と六つの至宝 桜井 咲良 @mio817
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