第6話

アパートを出て、ピザ屋までの大通りを歩く。

最近、ピザを食べてなかったからか、想像より距離が遠く、汗をかなりかいている。

熱中症になっては元も子もないので、コンビニに寄ろうかと思い、彼女に声をかけた。

「なぁ、ちょっとコンビニによっていいか?」

そう言いながら彼女の方を見ると、今にも死にそうな様子だった。

足取りはふらつき、尋常じゃない量の汗がスコールのように地面に垂れている。

忘れていたが、そういえば律儀にローブを羽織っていた。

「おい、大丈夫か!」

「え〜、大丈夫大丈夫。僕死神だから〜」

そういうが、明らかに声が歪んでいる。

一刻を争うと思い、信号を確認したあと、彼女の手を引いてコンビニへとかけた。


自動ドアが空くと、冷えた空気が外へと流れ出る。

コンビニの冷房が体に染みる。

そんなこと考えながらも、急いで2Lの水を取り、レジへ持っていく。こういう時自動決済がありがたい。

外へ出て、日陰に移動し、キャップを開けて、彼女に渡した。

「はい、飲んで。」

「ん〜、これ?分かった〜。」

彼女はそう言うと、余程喉が渇いていたのか、一気に2Lを飲み干した。

「は〜いぎがえる〜。」

「なぁ、そのローブなんで着て来たんだよ。」

すると彼女は困惑したように、

「は?だってこれ僕の戦闘服だよ、着てこないわけないじゃん。」

だから、なんなんだよその、俺がおかしいみたいな反応。何と戦う気だよ。

とにかく、また死にかけられても困るので、

「1回帰るか、それを脱ぐか選べ。」

「話聞いてた?だからこれは僕のせ……」

「また死にかけたいのか?ごちゃごちゃ言ってるなら置いてくからな。」

そう言って歩き出すと、

「わかったよぉ。脱ぐ!脱ぐってぇ、だから、見捨てないでぇ。」

そう言って彼女は、脱いだローブを手にかけながら、急いで追いかけてきた。

今の発言だけ切り取ると、俺が最低なヤツじゃねぇか。おかしいだろ。

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