軽便鉄道敷設編成シェルターステーション


「ロウヒ、軽便鉄道敷設編成シェルターステーション受領の為、出頭しました」

 ミリタリー・オフィスでガブリエルの前で敬礼しているロウヒさん。


「お前らはすぐに壊すからな、気を付けるように」

 この後、ガミガミと小言をとばされるアイノさん。


 側にいたキャロライン・ノウルズが見かねたのか、

「ガブリエル様、ロウヒ様も遠くから来られたのですから、お茶でも致しましょう、たしかロウヒ様はレモンティーがお好きでしたね」


 あまりにガブリエルに小言を喰らって、しょぼんとしているロウヒさん、ホッとした顔をしましたね。


 キャロライン・ノウルズさん、レモンティーにクリームチーズケーキの缶詰なんて持ってきます。


「あれ、ケーキの缶詰?近頃こんなものがあるのですか?」


「試作品です、この防災備蓄食料にスウィーツ缶が追加予定とのことです」

「お試しで物資補給部の前で配っているのですよ、」


「ウィッチの間では話題なので、スウィーツに特化した『レイルロードスウィーツオートカフェ』というお店が計画されているようですね」

「物資補給部がステーション・フルタイム施設の一つのお店として出す予定とのことです」


 ガブリエルさんが、

「レイルロードスウィーツオートカフェ?初耳だ、物資補給部の前で配っているのか?」

「はい、六種類ぐらいあるようですね、なんでも単価が高くてボツという予定だったのですが、物資補給部が扱う格安物資を使い、売値を二百五十円程度に抑えるようで出来たとか」

「二百五十円か……」


 このスウィーツ缶、後日ハウスキーパーのサリーさんが異様に気に入り、ヴィーナスさんに直訴して、なんとか防災備蓄食料専用のマイクロ・インフェニティ・カーゴ装置が……

 物資補給部専用で一辺八百メートルの立方体……防災備蓄食料をどしどし作れるようです……

 売値が百円になりました。

 ウイッチさんは五十円ですけどね……


 キャロライン・ノウルズも交えてのティータイム……

 甘いものを食べて、ガブリエルさんも優しい顔になっています。


「軽便鉄道敷設編成シェルターステーションだが、三隻までの編成と決まってな、マイクロ・インフェニティ・カーゴオプションステーションと小型建造ドッグオプションステーションは外せないが、あとは現地担当者と相談となった、釘をさしておくが戦闘用ではないから、あと一隻はマグネター砲搭載ステーションなんていうなよ」


「……」


「まったく……」


「なら広域探知オプションステーションはダメですか?」

「ヘルメスジュニアが欲しいのだろうが必要性を認めない」


「……」


「一級世界の現状などは、軽便鉄道標準分岐ステーションに先行格納している『バッテリー・トレーラー』と『モニター』で調べられるだろ?」

「それはここに出頭している間に、『バッテリー・トレーラー』と『モニター』を使って、調べるようにしております」


「よろしい、報告の前に調べてほしかったが、まあ、よかろう」


 ここでキャロライン・ノウルズが、

「ガブリエル様、ロウヒ様も、軽便鉄道敷設編成シェルターステーションのあと一隻をお決めにならなくては……」


「おっ、そうだった、どうもカレワラ・オフィスの皆と話をしていると、調子が狂うな」

「あと一隻なのだがどうする?別に二隻直列編成でも構わないが?」

「では物質転移装置搭載オプションステーションをお願いできませんか?」


「ほう?何に使うのか?」

「一級世界が壊滅危機の時、小型陸戦ロボットや戦略物資を緊急転送するとか、その反対に高等知性体の救助とかに使えるかと考えます」

「食料援助なども『あり』かもしれませんね」

「なるほどな……よい考えだ……わかった、それでいこう」


その後、 軽便鉄道は計画通り進展していきました。

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