第2話
表彰台の上に立ち、銀メダルを首に掛けられた時から遙の運命が変わった。
眩しいぐらいのカメラのフラッシュの前で1位のロシアの選手、3位のカナダの選手と共に笑顔を見せる。
それが終わったらインタビューが待っていた。
「おめでとう。遙ちゃん」
何より嬉しかったのは、同じクラブの先輩の早川奏(かなで)がそう言った事である。
奏は遙より2歳年上の17歳である。
遙の憧れの先輩だった。
今回、同じスケートアメリカに出ており、優勝を果たしていた。
『遙、おめでとう!』
親友の若林優希から電話があった。
日本での放送は今日の夜である。
速報のニュースを見て、直ぐに電話をくれたのである。
「自分でもびっくり!運が良かったのかな」
『遙、もっと自信持って。それが、遙の実力だよ』
「優希ー。早く日本に帰りたい」
『帰ったら何したい?』
「お寿司食べたい!」
優希との電話が終わると、遙は漸くベッドの上に寝転がった。
2位か……
まだ実感湧かないな。
もし次が同じ2位以上ならグランプリファイナルも見えるかもしれない……
そう、インタビューの人が言ってたっけ。
「まさか!」
遙は起き上がると、思い切り首を振った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます