少しでも
第8話
一人の容姿が整ったイケメン美男子の周りにたくさんの女子が集まっていた。
「ねえねえ彼女いるの?」
「付き合おうよ!」
「デートして!」
「二番目でも三番目でも良いからさ」
うざっ。気持ち悪っ。
「ちょっとだけでも良いからさ。」
そう言って触ろうとしてきた知らん女子たち。
「触るな!!」
思わずバシッと振り払った。
誰がお前らとつき合うか……!!
どんなに自信があろうと彼のものにはなれない。
彼にはある少女しか目に入らないのだから。
少女たちを置いて去ってた。
そうして彼はある場所に来ていた。
なあ、父さん……お義母さん…
ごめんな……俺が不可解で情けないせいで。
あの日全員を護れていたら俺たちがバラバラになることはなかったんじゃないのか……
今でも後悔ばっかりだ。
なあ、兄と妹は元気に暮らしてるか?
「ただいま。」
夜になり家に帰ってきた。
俺の名前はエアル。
俺は今、一人暮らしをしている。
だが猫五匹、犬二匹と暮らしてる。
寝ているか……。
動物たちを見てから暇そうにソファーに座り込む。
何気なく俺はテレビをつけた。
すると映し出されたのは、音楽番組だった。
ある少女が写っていた。
アイドルか。興味ねえ。
そう思ってチャンネルを変えようっとした時だった。
ドクンッ
胸が張り裂けそうな痛みが襲った。
「な……んだ………こ………れ?」
その時はまだ気づかなかった彼女が異母兄妹の妹だという事を。
彼は気のせいにして見ていたのだった。
彼が住むのはニューヨーク。
事件で家族とも離れ離れになった場所だ。
1度オーストラリアでホームステイしていたがニューヨークに戻ってきた。
俺は、アメリカと日本人のハーフであり母親と離婚して亡くなった母親と一緒にいた。
そして妹が誕生した。いつも笑顔で希望だった。
俺たちの実母は今どこでどんな暮らしをしているかなんて分からない。
俺にとってできることも限られるのだから。でも今は妹の命を守ることが俺にとって最優先。
だから俺は妹のためならなんだってする。
俺は外を見る。
星を見つめお前が幸せなら俺はいいんだ。
「後は任せたぞ兄貴…いや、ウェル」
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