ムクロの上のヤカタ
Karura
第1話 人生と言う劇場において「ドラマチック」は存在しえない
もし人生が一つの劇場だとするのなら、その舞台にドラマチックな展開など一つもないのだろう。
※※※
ガタンゴトンと電車に揺られながら、本を読む。現在時刻は12時30分、程よく眠気が襲ってくる。眠気覚ましにと鉄道の本を買ったつもりなのだが、どうやら逆効果のようで少しづつ瞼が重くなってきた。
「次はきな臭山、きな臭山……」
どうやら目的地に着いたようだ。プシューと言う独特な音とともに扉が開く、それを見て、本を閉じ立ち上がる。少々立ち上がるのが遅かったのか、ドアが閉まるのとほぼ同時にホームにでた。
「すぅー。はぁー」
都会の人間が田舎に来た時によくやる深呼吸、正直空気の味などわからないが、やってしまう。
「よぉ矢方。田舎の空気はおいしいか?」
「久しぶりだね流星。少し太ったんじゃないかい?」
後ろを振りぬくと高校時代の友がいた。
「おいおい。太ったって……マジ?」
「マジ」
「ワオ……」
流星の少しアメリカかぶれなリアクションに少し安心する。
「とは言ってもよぉ。最初知った時どうだった?」
「まぁ驚いたかな。まさかアイツが最初とはって」
今日は友人の結婚式。山の上にある屋敷で行うらしい。
「マイホーム購入といい。結婚といい。はぁそれに比べて俺は」
「どうしたの?」
「いやよぉこうも長くニート生活をしてると……」
「流星、まだニートしていたのか。まぁ俺も言えたもんじゃないが」
「いやお前はいいじゃねぇか。一応職には就いてるんだし」
「んじゃぁ。職質で自分の職業答える時に私の職業で答えてよ」
流星は少し考えるそぶりを見せると。
「やりたくねぇ」
「でしょ?」
※※※
バスを乗り継ぎついたのは、おおきなお屋敷だった。
「でけぇ」
「そうだねぇ」
「なれてんなぁ。もしや仕事で行ったことが?」
「現実の探偵にそんな大事件はこないよ」
「まじかぁ」
友人の夢を壊しながら屋敷の門をくぐる。庭にはよく管理された花壇や低木などの草木が植えられている。昔からアイツはこういうのが好きだったからな。
「あれは……ブルースターかなかなか乙な物だね」
「ん?乙って?」
「あぁブルースターの花言葉にはね……」
「いらっしゃい」
玄関に向かいながら流星としゃべっていると、女性に話しかけられた。
「あなたは……」
「あぁ、ご紹介遅れました。私は坂本裕子と言います」
「坂本……」
アイツに姉や妹などはいないはずだから……
「この度はご結婚おめでとうございます」
「あら、わかっちゃいました?」
「?」
「知り合いに探偵がいるかと主人から聞いていたので、少し試してみたかったんです」
どうやら彼女の中でアレ謎解きだったらしい
「さすがに、わかりますよ」
そう言いながら私は毛先を指でくるくるといじった。
※※※
あとがき
謎解き系です。一応トリックありです。(ヒントは時間かな?)
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ムクロの上のヤカタ Karura @Karurasann
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