第12話 最後の戦い

 日の出とともに、工場の防御線がさらに強化されていく。住人たちは昨日の奇襲で時間を稼ぎ、その間に可能な限り準備を進めていた。武器は限られているが、罠や障害物が工場の周囲に張り巡らされ、皆の緊張感は最高潮に達していた。


 タクマは見張り台に立ち、遠くを見渡していた。ミサキがその隣に立ち、そっと声をかける。


「大丈夫?昨夜からほとんど休んでないでしょ。」


「平気だよ。今は休んでる暇なんてない。」


 タクマの声には力がこもっていた。ミサキは何も言わずに彼の横顔を見つめ、その決意の強さを感じていた。


「見えた!」


 見張り台の別の住人が叫ぶ。遠方に小さな点が次第に大きくなり、やがて略奪者たちの一団が姿を現した。


「ついに来たか。」


 タクマは深呼吸し、全員に知らせるために鐘を鳴らした。工場内の人々は一斉に持ち場につき、武器を構えた。


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 略奪者たちが工場の前に到着すると、リーダーらしき男が一歩前に出た。彼は大きな声で叫ぶ。


「ここはもう包囲されている!無駄な抵抗はやめて、降伏しろ!」


 タクマは工場の入り口から顔を出し、その男を睨みつけた。


「俺たちは降伏しない。この場所は俺たちの家だ!」


 その言葉に略奪者たちが笑い声を上げる。


「いいだろう。なら力づくで奪ってやる!」


 リーダーの声が響くと同時に、略奪者たちが工場に向かって突進してきた。


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 最初に仕掛けられた罠が発動した。地面に仕掛けられた針金に略奪者たちが引っかかり、数人が転倒する。その混乱を狙い、工場内から矢や投石が飛び出した。


「一斉射撃!」


 タクマの指示により、住人たちは持てる限りの武器で応戦した。弓矢やスリングショット、さらには改造された釘を飛ばす装置まで総動員される。


「くそっ!奴らを破れ!」


 リーダーが叫ぶと、略奪者たちは罠を回避しながら工場に接近してきた。タクマは冷静さを保ちながら、次の指示を出す。


「バリケードを死守しろ!絶対に突破させるな!」


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 激しい攻防が続く中、リュウが工場の裏手からやってきた。


「タクマ!裏口の方に回り込もうとしてる奴らがいる!」


「分かった。ミサキ、前を任せる!」


 タクマはリュウとともに裏口へ向かった。そこでは数人の略奪者が工具を使ってバリケードを破ろうとしていた。


「止めるぞ!」


 タクマとリュウは息を合わせて突撃し、略奪者たちを押し返した。リュウは巧みに武器を扱い、タクマも全力で戦った。


「お前らにここを通らせるわけにはいかない!」


 必死の戦いの末、裏口の敵を退けることに成功した。


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 前線に戻ると、住人たちは疲労しながらも戦い続けていた。ミサキは冷静に指揮を執り、住人たちを鼓舞していた。


「もう少しよ!絶対に持ちこたえられる!」


 その言葉に、住人たちは再び力を振り絞った。一方で、略奪者たちは次第に士気を失い始めていた。


「くそっ、奴らは思った以上に手強い!」


 リーダーは苛立ちを隠せずに叫んだ。そしてついに、略奪者たちは撤退を始めた。


「追うな!」


 タクマが指示を出し、住人たちは安堵の声を上げた。ついに、工場は守られたのだ。


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 戦いが終わり、工場内は静まり返っていた。多くの住人が傷を負ったが、大きな犠牲は避けられた。


「タクマ、私たち、やったね。」


 ミサキが笑顔を浮かべながら言う。タクマも疲れた表情をしながらも頷いた。


「みんなの力があったからだ。俺一人じゃ絶対に無理だった。」


 その言葉に、周りの住人たちが拍手を送り、歓声を上げた。


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 夜になり、タクマは一人で工場の屋上に立っていた。星空を見上げながら、これまでの出来事を振り返る。


「これで終わりじゃない。俺たちはこれからも生き延びていく。」


 その決意を胸に、タクマは新たな朝を迎える準備を始めていた。

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約束 かずぅ @kazoo1227

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