ブラッドコーヒー
石戸ゆりえ
1、はじまり
カツ、カツ、カツ、カツ
高いハイヒールを履いて家に帰った。
みちるの家は、都会の高級マンションだ。
「もう午前2時だし、人もあまりいないなぁ」
人気のない住宅街を、みちるは能天気に歩き、家を目指した。
♣︎
女刑事・星花莉梨愛は、数人の警察官と一緒に、パトロールに行きました。
「こっちの住宅街は、見通しが悪いからね。重点的にパトロールするよ。」
「はい!」
18分後。
「よし、怪しい人はいないみたいだな。次の場所に…ん?」
「刑事、どうしたんですか?」
「ツツジの木と隣の木の間に、薄橙色のなにかが挟まってるんだけど、なんだろうと思って。」
「抜いてみますね。」
「うん、よろしく〜」
警察官が挟まっていた物を抜き始める。
だが………
抜けないのだ。
「くそ、抜けねえなあ。松田先輩、抜いてください。」
怪力の松田警察官が抜こうとする。
だが、手が滑ってしまった。
代わりに、コーヒーカップの様な物が目に見えた。
なんだろうと思い、莉梨愛はコーヒーカップの中身を見た。
そして、悲鳴を上げた。
「キャアアアア‼︎何これ⁉︎
中身全部血じゃない‼︎」
「血……?ってことはまさか……」
松田警察官が挟まっている物を抜く。
それは………女性の遺体だった。
ブラッドコーヒー 石戸ゆりえ @amagumo_amane0610
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