第28話 ばくはつ! 一体何が?

 ぼかーん!


 爆発によってできた巨大な煙がもうもうと立ち込めていた教室で、ステラとブルーはお互いを抱きしめ合った。

 衝撃で、教室の窓は弾け飛んでしまった。慌ててマーサ先生が、魔法で窓を修復した。


 今日で二回目の爆発に、さすがのマーサ先生も呆れている。


「セレーネ。それから召喚獣ラン。どうしたのです?」


 爆発を起こしたのは、二回ともセレーネと妖精型召喚獣のランのペアだった。セレーネは顔を真っ赤にしながら、申し訳なさそうに謝罪をしている。


「ごめんなさい!」

「申し訳ありません、セレーネ様……」

「ランは夜眠れていなくて、調子が悪いみたいなのです」


 あのセレーネがランをかばったのだ。以前のセレーネであれば、ランにきつく当たっていたであろう。それでも、ランはひどく落ち込んでいた。


 授業後、ステラとブルーはセレーネとランに歩み寄った。


「大丈夫ですか?」

「ああ、ステラさんにブルー。ええ、大丈夫ですよ」

「この度はまことに申し訳ございません……」

「魔法で窓も直っていますし、大丈夫ですよ。ちょっとびっくりしましたが……」

「うんうん、びっくらしたぜ。ランは夜眠れてないって聞いたが、そっちの方が心配だぞ!」


 ブルーの言葉に、ランは視線を落とした。


「本当に大丈夫なのです。すみません……‼」


 そういうと、ランは庭園の方へ飛んで行ってしまった。残されたセレーネは心配そうにつぶやいた。


「ラン、最近おかしいのよ。夜も遅くに帰ってくるし、寝言では『今のままじゃダメ、もっと上手くしなきゃ』って話していて。失敗なんて、誰にでもあるのに」

「夜遅くにどこかへ行っているのでしょうか?」

「後をつけてみようぜ!」


 ブルーは慌ててランの後を追いかけて、飛んでいった。ステラとセレーネも、ブルーの後に続いた。



 ◇◇◇


 気が付けば、そこは旧校舎だった。ブルーは、おばけのことを思い出して震え上がった。


「きゅきゅきゅきゅ、旧校舎ー! 出たー‼」

「何もいないじゃない。うるさいわよ、ブルー‼」

「おばけさん、まだいるのでしょうか……」

「そういえば、前にセレーネとランはここで何をしていたんだ?」


 前にここですれ違ったセレーネとラン。一体何をやっていたのだろうか。


「秘密よ」

「なんだよ、ケチくさい」

「ケチ……⁉ この私が?」


 セレーネは旧校舎を見上げた。しかし、周囲にランの姿はない。


「……いいわ、教えてあげる。ここで魔法の練習をしていたのよ」

「お勉強されていたのですね」

「そうなのよ。ここ、誰も来ないし。最近はおばけの噂もあって、誰もこなくなったわ」

「セレーネはおばけ、怖くないのか?」

「怖くないわ。信じていないもの」


 あっさりと答えたセレーネは、旧校舎を見上げた。旧校舎の周辺はとても静かで、勉強するには最適な場所にも見える。


「ランはどこにいったのかしら」


 セレーネが心配そうにつぶやいた瞬間、二階の窓のカーテンが揺れた。


「……ラン?」


 ふわふわした光が現れ、カーテンが大きく揺れた。


「でででで、出たー‼」


 ブルーが絶叫すると、カーテンは突然揺れるのをやめた。明るく発光した光がふわふわと、窓をすり抜けていく。


「ステラー! 食われちまうー! 守ってくれー‼」

「ええ、ブルー大丈夫ですよ。だって……」


 ふわふわとした光は、ステラ達の前にゆっくりと降り立つと、その光を弱めた。そこにはランが申し訳なさそうに飛んでいる。


「ほら、ランさんですよ。ブルー、大丈夫?」

「ららららラン⁉ だって、あの光はおばけで……」

「ごめんなさい」

「どうしたの、ラン。おばけみたいな現れ方をして」

「そ、そうだぜ! なんでそんな、おばけみたいな……‼ ロジャーだったら腰抜かしてるぜ!」


 ランは恥ずかしそうに頬を赤らめると、ゆっくりと口を開いた。


― ランは一体どうしたのでしょうか⁉ つづく! ―

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