第三章 ローザ・ファルベン召喚魔法祭編

第14話 召喚魔法祭? おいらが主役⁉

 はるかとおくに存在そんざいする人間界にんげんかい、そのもヴィスタリア。召喚獣しょうかんじゅうの住まう聖星界せいせいかいアスタリア。それぞれ共存きょうぞんする世界せかいうつくしく、人々と聖獣せいじゅうたちのにぎやかな世界だ。


 ◇◇◇


 そのらせは、突然とつぜんやってきた。


 この一通ひととおりの授業じゅぎょうえ、最後さいごの5時間目じかんめはじままった。マーサ先生せんせい教壇きょうだんつと、ワクワクしている生徒せいとたちにかえった。


「もうすぐ、ローザファルベンのまちをあげた、召喚魔法祭しょうかんまほうさいおこなわれます。モントシャイン学園がくせんでも、ローザ・ファルベン召喚魔法祭しょうかんまほうさいおこないます!」


 その言葉ことばき、一斉いっせい歓声かんせいげる生徒せいとたち。くびかしげているのは、 少女しょうじょステラだ。12さいのステラは、病弱びょうじゃく部屋へやから一歩も出たことが無かったのだ。そんなステラのやまいなおしたのは、聖獣せいじゅうとしてみずかあらわれた召喚獣しょうかんじゅうブルーであった。元気げんきになったステラは、ローザファルベン学園がくえん入学にゅうがくしたのだ。


「ねえ、ミミィさん。召喚魔法祭しょうかんまほうさいって?」


 ステラは友達ともだちのミミィにそっと小声こごえいた。ミミィはみをさわりながら、ステラになおった。


「ステラちゃんとブルーはらないよね。召喚魔法祭しょうかんまほうさいっていって、召喚魔法しょうかんまほう感謝かんしゃしながら、いろんなことで召喚魔法しょうかんまほうあげげるおまつりよ。ローザファルベンの町と、モントシャイン学園がくえん伝統でんとうなのよ」

学園がくえんだけじゃなくて、まちにもいる召喚獣しょうかんじゅう召喚士しょうかんしたちがあつまるんだ。召喚獣しょうかんじゅうたちは、聖星界せいせいかい同窓会どうそうかいってってたな」


 ロジャーの言葉ことばに、ロジャーの使役しえきしているヘビがた召喚獣しょうかんじゅうワッツがほこらしげにしたをしゅるしゅるとした。


「おとうさんやおかあさんがたり、まちひと学園がくえんるのよ」


 ミミィはそういうと、マーサ先生せんせいなおった。


「おほん。では、このクラスでのものめたいとおもいます」

もの……」


 おもわずくちてしまったステラの言葉ことばに、今度こんどはマーサ先生せんせい反応はんのうした。マーサ先生せんせいはチョークに浮遊魔法ふゆうまほうをかけると、黒板こくばんにさらさらと『もの』といた。


「そうです。ものです。召喚魔法しょうかんまほうもちいることが出来できるものなら、なんでもかまいません。なにがしたいか、アイデアのあるかたはいますか?」

「はい!」


 すぐにげた生徒せいとがいる。


「ミレッタさん、どうぞ」

召喚魔法しょうかんまほう使つかって、物屋ものやさんがやりたいです!」

たとえばどんなものでしょうか?」

氷魔法こおりまほう氷菓子こおりがしつくったり、ほのお魔法まほう串焼くしやきをつくったりなんてどうでしょう!」


 ミレッタはそばかすが目立めだ赤毛あかげのポニーテールの似合にあ少女しょうじょだ。氷魔法こおりまほう得意とくいなワッツと、レミィの召喚獣しょうかんじゅうである猫型ねこがたのミミィはほこらしげにしている。


ほか意見いけんのあるかたはいますか?」

「はい!」

「はい、セレーネさん」

召喚獣しょうかんじゅうたちと、お芝居しばいなんてどうでしょう!」

賛成さんせい! それならうちの召喚獣しょうかんじゅう参加さんかできるわ!」

「うちの召喚獣しょうかんじゅう参加さんかできるぜ!」


 『おほん』という咳払せきばらいがこえ、生徒せいとたちの視線しせんはセレーネという金髪碧眼きんぱつへきがん可愛かわいらしい少女しょうじょから、マーサ先生せんせいへとけられた。


ほかにいないようなので、多数決たすうけつります。人数にんずうおおほうものにしましょう」


 マーサ先生せんせい言葉ことばつづき、チョークが勝手かってうごくと黒板こくばんに『物屋ものや』と『お芝居しばい』といた。


「では、物屋ものやがいいかたあげげてください」


 召喚獣しょうかんじゅうふくめた生徒せいとたちが次々つぎつぎげていく。チョークはコンコンと黒板をつつくと、『14人』と書いた。


つづいてお芝居しばいをしたいかたをあげてください」


 ミミィにレミィ、そしてロジャーとワッツがげた。ステラはなやみすぎてげられずにいたが、ステラの召喚獣しょうかんじゅうであるあかひとみあおいもこもこのうろこ、そしてつばさである羽根はねをバタバタとうごかしながら、ブルーが両手りょうてげた。


 食いしん坊のブルーが物屋ものやにあげないことにおどいたステラはまよいつつも、おそるおそるげた。そこでチョークは『19にん』といた黒板をつつき、『20にん』となおした。


「では、お芝居しばいをすることにします。お芝居しばい台本だいほんいてくれるかたはいますか?」


 すると、ミミィがを上げた。レミィも尻尾しっぽげている。


「ミミィさん、やってくれますか」

「はい。レミィと一緒いっしょきたいです!」

「よろしい。では、どんなお芝居しばいにするかみんなかんがえましょう」


 すると、セレーネのとなりにいたくせ少年しょうねんげた。


「マックさん、なにかありますか?」

「はい。折角せっかくりゅうのブルーがいるんだから、りゅうにまつわるはなしがいいとおもいます!」

「お、おいら⁉」

たしかに、竜型りゅうがた召喚獣しょうかんじゅうめずらしいですし、りゅう物語ものがたり人気にんきですものね」

「みんなに関心かんしんのあるはなしだとおもいます!」


 マックの言葉ことばに、セレーネもうんうんとうなづいた。


「それなら、『聖女せいじょりゅう』がいいんじゃない?」

「いいね! わたしその物語ものがたりき!」

「『聖女せいじょりゅう』はムネアツだよな!」


 生徒せいとたちから次々つぎつぎこえがる。ブルーはくびかしげたが、ステラはうれしそうに微笑ほほえんだ。


「『聖女せいじょりゅう』の物語ものがたりなら、ほんんだことがあります。あとかせてあげますね」

「そうしてくれい!」


 ステラの言葉ことばに、ブルーはうれしそうに羽根はねをばたつかせた。


反対意見はんたいいけんもないようですね。では、『聖女せいじょりゅう』に決定けっていいたします。レミィさん、原稿げんこうあせらずにいてくださいね」

「はい」


 ものが決まり、生徒せいとたちがワイワイはなしたところで、チャイムのベルがった。


「では、衣装いしょう小道具こどうぐづくりなどは次回じかいにおはなししましょう」

起立きりつ! れい!」


 日直にっちょくだったことをおもしたロジャーの言葉ことばに、生徒一同せいといちどうはあわててがるとお辞儀じぎをした。生徒せいとたちがワイワイとはなす中で、ブルーはうれしそうにがった。


「おいらが主役しゅやくなんだな!」

主役しゅやく聖女様せいじょさまだけど。まあブルーも十分じゅうぶん主役しゅやくね」


 ミミィがわらいながらこたえた。

 『聖女せいじょりゅう』がどんな物語ものがたりかもらず、ブルーはほこらしげにおなかしていたが、すぐにぐぅうううというおとともに、ステラのかたつかまった。


「そのまえ夕飯ゆうはんだぜ! 主役しゅやくだからいっぱいべるんだ! はらぺこだーい!」

「ブルーは毎日まいにちいっぱいべるじゃないですか」


 ステラの言葉ことばに、ミミィにレミィ。そしてロジャーとワッツがわらった。


―『聖女せいじょりゅう』はどんな物語ものがたりなのでしょうか。つづく―

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