第33話 ミモザ
翌日学校へ行きたくなかった。いつも王城からクフェア様と一緒に行くのだが、今日は態度がいつもと違った。
「今日からはクフェアと呼んでね。様とか付けたら悲しむからね。私も、れ、レオって呼ぶから。それと着いたらアビとこの前の話の続きを話さないと」
「分かったよ。クフェア。アビとの話に続き?何か話してたの?」
「この前の授業中に二人で話したよ。」
「そう言えば有ったね。何話したの?」
「何でしょう?ヒントは昨日勝手に婚約者になりたいと言った訳ではないわ」
「よく分からないが、まあ問題なければいいかな?」
「出来たら人が少ない所では無そうね。クフェアには立場もあるし」
「そうね。わかったわ」
学校到着。教室まで行くが、何故かクフェアも付いてくる。
「朝から話するの?まあ余裕もって来たから大丈夫だと思うが」
「そうね」
なんかクフェアが緊張してる?とりあえず教室に着いた。
「おはようございます。アビは……居た」
皆からも返事が来るが
「おはようレオと……おはようございます第三王女様」
皆クフェアに驚いてた。
「ねえアビ、婚約の話だけど……」
「クフェアここで言うのか?」
「今人少ないから」
「いや、十分に多いよ。っていうかどこか空き教室にでも」
「美女二人連れ込んで何するつもり?」
「話し合い」
「そうだったわね。話ならここでいいじゃない。証人も多いし」
「証人って何の?」
「婚約に決まってるじゃない」
「あっ?」
「もう遅かったわね。アビ、この前話したように私も婚約者になるから。別に奪い合うのではなく二人で協力してレオと生きていきましょう?もう一人参加したそうな人も居るけど自分で言わないと参加できませんよ。ミモザ」
「わ、私は別にレオ君と、け、結婚なんて……したいかも」
「参加しないのですか?しないのならこれから近付くと敵判定されるかもしれませんよ?」
「な、なんで?私とレオ君は仲もいいし。と、友達以上だもん」
「ねえ、友達以上って何?恋人?血縁?」
「恋人未満?」
「簡単に言うと好きって事?」
「はい」
「他の人に奪われても良いの?」
「絶対に嫌だ」
「なら答えは決まってるじゃない?私達と共同の婚約者でもいい?敵対ではなく協力し合うのよ」
「私は大丈夫ですが親が……何ていうか。王様は大丈夫なんですか?」
「許可は取ってあるわ」
「昨日何かそんな話になったのは事実だが、僕は先程から話に入っていけないのだが」
「何?私とミモザ嫌いなの?女の子がこんなに頑張って婚約しようとしてるのが不満?」
「嫌いなわけないよ。好きだよ。でも恋愛の好きかなんてわからないよ」
「珍しい。貴方でも分からない事って有るのね?」
「分からないから生きてて楽しいのではない?」
確かに好きだけど、婚約とかその先の結婚とかはそんな簡単でいいの?アビとは長い間婚約者だったから……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます