第29話 クフェア入学と魔法

 新入学の時期は過ぎていたが元気になったクフェア第三王女が入学してきた。

そして僕の魔法の授業は教えられる先生が居ないとの理由で、クフェア様に魔法を教えて欲しいと言われた。僕の授業は第三王女の先生……まあ教える方が勉強になるとかは聞くが。いいのかそれで?


 一応クフェア様にも直接確認したら、

「私自身の願いであり、王と他の先生も許可をくれたから」と言われた。

「でしたら問題は有りませんが、本当に私でいいのか不安です」

「ほかにできる方の居ない様な魔法を使われるのですから自信持ってください。それとアビからも許可は貰っているので」

アビからの許可は気になるが聞かない方がいいかと思った。

「分かりました。では基本から始めましょうか。一応授業では……」

一般的な授業で習う魔法と僕の考えの両方を説明した。

「要は精霊様が許可をくれたらた属性の魔法を使えるんですか?」

「僕はそうして使ってますよ」

「私未だ魔法については確認してないので魔力は適度にあるみたいなのですが何を使えるのかは分からないのです」

「では実際にやってみますか。ここでは危険なので外の実習場を使いましょう」


 クフェア様は水の魔法が使えたが、なんか凄く僕の魔力と似ている……。

「あの、その魔法もしかして治療の時の?」

「分かりますか?あの時の魔力の流れが水属性の魔法に合うのです」

治療の時水の精霊さんにお願いしたからそれでかな?


 この授業の後アビを実習場に呼び出した。

「アビ、お願いが有るのだけれど……」

「クフェア第三王女様の事?」

「関係してるけど違うよ。少し魔法の実験に協力してくれないかな?」

「魔法の実験ならアウラ様ではなくてもいいの?」

「この実験は手を繋いでするから出来たらアビと……」

「そう言う事なら、いいよ。手を繋げばいいの?」

「そうだよ。そして今から繋いだ手から魔法を使うから、その時の感覚を教えて」

「わかった」

「最初は風……」と3属性試してみた。

何回か試したら風属性を少しだけ使えるようになったみたい。

「なんか風の魔法の感覚が少しだけ分かった……」

「一応この実験は他の人には内緒にしていて。ソマリ様とかに相談するから」


 後日、ソマリ様に相談すると少し怒られた。

「実験する時は念のため誰か呼んで」と。

確かに何か有ったら僕一人では対応しきれないかもしれない。今回の相手は特に失いたくない相手だから今後は気を付けよう。何でも一人で出来ると勘違いしてたのかもしれない。

「以後気を付けます」と答えると

「実験しないと言う考えは無いんだよね」と言われた。


その通りです。 

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