第6話 秘密の魔法使い

 「魔法使い……な方を使う者ね。そうね合ってると思うわ」

「よかった。なんか魔男って言われると悪い事したみたいに感じるから」

「なんで?」

「わからない」誤魔化した。


 「あのねママ。ソマリ様の所の報告に行こうかと思っているのだけど……」

「あ~。あのね貴族に男が魔法を使えることを知られると……」

「ソマリ様はねもし魔法使えるなら守ってあげるって言ってくれたんだ」

「そうなのソマリ子爵がそう言ってなら信用は出来るわね。でもね、貴族のお家に勝手には行けないわ。

先に手紙……馬に乗って偶然お出かけ先が近かったら寄ることも有るか」


「えっ?ちょっと、ママ馬に乗れたりするの?」

「魔女は狙われるからね。馬車が壊されたら馬に乗って逃げる位できないと危ないのよ」

「そうだね。ママみたいに美しい女性なら男の人も逃がそうとはしないだろうし」

「もう……そんな美しいなんて。なんて良い子なの?」


「だから……馬の乗り方とか教えて欲しいな~。ままおねがい」

「いいわよ。当然じゃない。魔法使いは私なんかよりもっともっと貴重なんだから。馬だけでなく護身術も覚えましょう。でもね一番大切なのは逃げる事よ。大人相手に勝てると思わない事ね。まあ大人一人で魔法使えて距離が遠目なら勝てるかもしれないけど」

「分かりました。逃げますね」

「ママからは逃げないでね」

「?何で逃げるのですか?ママ大好きです!!」

「もう……この子は」抱きしめられた。


 数日練習し馬に乗る程度は出来る様になった。

「上手に乗れるのね」

「いいえこの子が賢いのですよ」

「そう。でも慎重なのはいい事よ。特に最初の頃はね」

「はい当然です。大切な馬と大切なママとの時間を無くすわけにはいきませんから」

「違うわよ。一番大切なのはあなたよ」

「あ、ありがとうママ」

「照れてるの」

「こんな綺麗な女性にそのような事を言われて嬉しくないはずがないですよ」

反撃のつもりで言ったのだが相手の機嫌が上がっただけだった。

まだまだ口撃力は低いみたいだ。


 次の日子爵邸宅付近まで母と馬に乗って行ってみた。偶然近く通ったので挨拶したら子爵が出てきてくれた。

此方の顔を見た後子爵は「何か……有ったのですね」と言い奥の私室まで案内してくれた。

「ここに来たと言う事は彼が魔法を発動したとか?まあそれはないとしても新しい魔法を開発したとか?」

「信頼しているので言います。この子魔法が使えました」

子爵は凄く驚いていた

「使えてもおかしくはなさそうだったが……本当に……。男の子で間違いないんだよな?」

「大丈夫です付いてます」母よ何故そこを見て言う?

「ナニの話ですか」

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