第3話 新たなる漂着者
「おーい!」俺たちは駆け足で先程の漂着者のもとへ向かう
俺の声が届いたらしく美紀が腕を振っている
漂着者は最初の俺と同じように周りをキョロキョロ見渡している。
「やあ、こんにちは。気分はどう?」
おれはそう聞いてみた。どこかで聞いたことのあるセリフだ。
「ど、どうも...気分は悪くないです...?」
「とりあえず目立った外傷は無し、意識もある、大丈夫そうだな」
しばらく沈黙が続き....
「落ち着いたかな?」と南川が聞く
「はい...大分」
「じゃぁ、えっと俺は西山賢吾!17歳で趣味はクイズ。よろしく!」
「自分は北沢・・・・」
「僕は南・・・・」
「あー・・・」
「私・・」
「美紀さんに...裕子さんですね。わかりました....」
「私は一ノ瀬春と言います、年齢は...20で一応料理とかその辺の仕事やってます...よろしくお願いします」
ちなみに美紀はこれで自己紹介が4回目になるらしい。
「えーと、これで偶数になったしペアとか決めとくか?」
「そうだな、そのほうが楽だと思うぞ」
ってなわけで、賢吾&正宗 海原&一ノ瀬 美紀&北沢 って感じだ。
「現在時刻が午後2:30分か..」
「そろそろご飯とか寝床の心配をしないとですね...」海原さんがそう言い
「水の心配はないんですか?」と一ノ瀬さんが
「大丈夫だ。僕も試したがニューニックには海水でも川の水でも飲料水に変換することができる」
「自衛隊の訓練でもやったが火も起こせると聞いたぞ?」
「火起こせるってやつクイズで出たなぁ。実際に目の前で着火しててビビっちまったよ」
「ニューニックなかったら詰みだったかもね...」と正宗がボソッと言っていたが本当にそうだと思う。
ニューニックを作ったとこの社長がアウトドア好きじゃなかったら詰んでたぜ...
「じゃああとは飯だけど聖槍...銛もあるし魚か?」
「あーしが魚は取れるとして、あとはキノコとか山菜だな」
「ならば、役割を決めようか」北沢がそう言い俺&正宗が山菜、美紀&北沢が狩猟、つまり魚だ。
そして海原&一ノ瀬が薪集めである
食料は何とかなりそうだが問題は寝床...そういえば何かの記事で...
「正宗!ニューニックってテントみたいになったりしないのか?」
「どうだろう...キャンプ好きのあの社長なら可能性はあるが...少しまってくれ」
そういわれて数分待っていると...
「あったぞ!大体一つのニックで2人分くらいのテントが張れるらしい。だが風とか温度とかにはそんな強くないから、あくまで雨とかをしのげるだけって考えていてくれ。」
しのげるだけって...十分すぎるだろ!こっちは砂浜に直接寝っ転がるのも考慮していたのに...!
「そういえばニューニックだれが持ってるかの確認してなかったな」
「言われてみればそうだな。ナイスだ賢吾」
「さて...話もそれなりにして...っと?」
「正宗、あの赤くて白いぶつぶつがついているキノコは食べれるか?」
「あんなマOオみたいなのが食べれるわけないだろっ!あれはベニテングダケだっ!」
そんな冗談も交えつつ6人分くらいの食材を回収し皆のもとへ戻った。
「一ノ瀬さんよ...あんた....プロだな!?」
「いやいや西山さん...そんなそんな」
だってさぁ...!においがさぁ..!美味そうすぎるんだもの!
何をどうしたら無人島で3つ星レストランみたいな匂いが嗅げるんだよ!
...いやここはもう受け入れて堂々と三ツ星レストラン(推定)の料理を食らいつくすべきか..
そんなことを考えてる反対側では北沢と美紀がなにやら盛り上がっているようだ
「美紀さん!あなたの銛裁きすごいですね!自分が1匹とってる間に3匹も捕まえてしまって!」
「いやいや、ただ運がよかっただけですってw」
やはり漁師の子なだけある...そう再認識した今日この頃であった。
目の前にあるのはただの魚の丸焼きでしかないのになぜこんなに食欲をそそるのだろうか...
「いただきます」
俺は食欲に従い思うがまま魚にかぶりついた。この魚...下手な寿司よりうまいぞ!
皆夢中で魚にかぶりついて一ノ瀬さんはとても笑顔で。これからもなんとかなりそうな気がする。
「そういやさ、ニューニックもってない人っている?」
すると北沢と海原さんが手を挙げた。
誰が持ってないかも確認できたし今日は寝るとしようか。
俺はさっき正宗に聞いたやり方を皆に共有してテントを張った。温度に弱いとか正宗が言っていたが
全然そんなことなく睡眠に最適な空間であった。
改めて振り返ってみると色々なことが起きすぎた一日であった。地震がおきて、津波に呑まれて、気づいたら無人島にいて、全く知らない人に出会って、そして.........おっとさすがに眠気が限界のようだ..........
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