名騎士たちの珠玉の七番勝負!
- ★★★ Excellent!!!
第二王子と辺境伯令嬢のざまあテンプレ婚約破棄シーン……から、恩義ある辺境伯に報いるべく、その令嬢の名誉を守り汚辱を濯ぐべく七人の騎士たちが立ち上がる。
そんな初めの筋書きだけでドキドキしませんか。きっとその期待は裏切られません。
勝負が進むたびに一人ずつ詳らかにされるそれぞれの騎士たちと辺境伯との事情。
その中で語られるのは七人の騎士たちの騎士道と、辺境伯その人の騎士道と。
その方向性は様々なれど、いずれもかっこいい男ばかりのそろい踏みです。
国の中枢や悪役側の悩みや企みも交えて、話が進んでいきます。
対手たる騎士もまた、(一、七人目を除き)やむを得ぬ仕儀から戦いの場に立たざるを得なくなった、いずれも騎士の道にもとらぬ見事な騎士ばかり。
対戦相手にどのような騎士が立つのか。立たざるを得ぬのか?
後になればなるほどに、勝敗だけではなくそれも気になって仕方がありませんでした。
七番勝負の六番目(最後とは言わない)まで、勝負の行方も分からず、騎士として『死ぬ』のは誰なのかもわからず。いずれを応援すべきかも難しい。
ただただ、読後感は爽やかで、読み終えた後は良き騎士たちとの出会いが終わった寂しさすら感じました。