第3話 さいきんの若者の肖像 1

うちの次男は

先月引っ越してきて以来、

チャリで10分のもよりの駅まで行き

そこからJRに乗り

郊外の田舎町から都市圏まで

深夜バイト(※闇バイトでわないらしい)に行ったり

遊びに行ったりしている


友達だか彼女だかなんだかわからないけど

泊めてもらって午前様も普通のことなのですが


先日、

「今かえりよるけん。電車乗ったー」

のラインが

早朝に届いていて


どうやら始発で帰ってきてるらしいから

じゃあ朝ごはんくらい作っといたろかって

とても寒い朝だったし

珍しく優しくなっていた母は

いそいそ作った卵焼きと味噌汁の湯気の前で

ぼんやりネットサーフィンしながら

うつらうつらとしてきまして


前日明け方まで店を開けていたもので

二時間くらいしか眠れてなくて

今日は休みだからまた寝てもいいやって

もう引きずられるように

そのまま眠りこけてしまって


気づいたらお昼を回っていた。


おっと。もうこんな時間やん。

しかしまだ、次男は帰ってないもよう。


も一度ラインを開けてみるけど

なんのメッセージも入ってない。


あいつのことだから、

どこかで降りて寄り道したに違いない。

そうしてるうちに

スマホの電池が例によって切れたと思われ。


彼のこのような連絡不能状態と

思い付き行動にすっかり慣れている母は

とくに心配もせず

久々のバンド練習にでかけ

寂れたカフェでお茶をしばいて

スーパーで日用品の買い物なんかをして

夕方ちかくに帰宅した。


あらら。

次男、まだかえってないっぽいな。


ラインもなにも言わぬまま。


それでも特に心配にはならない母は

夕飯の支度を超てきとーに済ませて

パソコンでなんか書いて遊んでいたら

玄関先でお馴染みのドタバタ音。


「(ガラガラガラ・・・と威勢のいい引き戸の音)

おすおす、おすおす!!!

あ~~~・・・よう寝た」


髪が雀の巣みたくなってる

次男ご帰還。


母「ライン朝イチやったけんさー、

朝ごはん作ってあげてたのに。

また、えらく遅かったじゃん」


「あーねー。

あのあとずっと、電車で寝とった。

博多から唐津をさ~、

たぶん・・・

3往復ぐらいしたのかもしれんわ!!!


おれ、わりとやべーかいな。

ぎゃははは(笑)(笑)(笑)」


「げっっ・・・

まじか・・・

3往復はなかなかないと思われ(涙


でもふつーさぁ、眠りこけたお客は

終着駅の西唐津か博多で車掌さんが

強引に起こしにくるやろうもん?」


「うーむ。

来たような気もするけど

覚えとらん。


とにかく、おれは寝た。←言い切る(笑)

電車って適当に揺れるし

超寝れるわ~~

なんか変な夢もたくさん見た気がするけど

起きたら一気に全部飛んだから

スッキリ!!」


ああそうでございますか。

それはよかったね。


あー、

けどですね。

唐津は一応佐賀県なので

おとなりの県なのですよね。


ええ若者が

朝から晩まで電車で眠りこけたまま

たぶん一定以上の席数を独占して

県から県を何べんも

無駄に行ったり来たり、行ったり来たり、

しとったんかい!!!

(呆



JRさん。


なんかほんと、

ごめんなさい。


( ;∀;)

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