第2話 ひとり旅の途中で
友人が地域で繋がったひとびとと始めたという
ゴスペルグループのライブを聴きにいって
そのグループでは
小学生やらそのお母さんたちが
いくつかの家族で集まって
みんなでわいわいしながら歌っていて
ソロをとっていた
キラキラとした眼の少女の
震える高音に鼻の奥がキュンとなって
いいなぁそういう仲間たちって
そういう家族って
いいなぁって
少し寂しくなってきて
冷えた身体に気がついて
温まりたくなって
クリスマス限定・酒粕風呂なるものに
浸かりに行って
ほんのちょっとの
アルコールが白く溶けた釜の中で
なんだかしみじみ泣けてきたりして
わたしはなんで
こんなところで
素っ裸で
泣いているのだろうって
酒のかほりにむせながら
泣いている裸の酔っ払いに
まわりのひとは
知らん顔をしてくれていて
おもえばひとりになってから
ずいぶんな時がたっているけど
いつもはそれを忘れていて
本当は
わざと忘れるようにしていて
でも
ふとこういう日に
こういうときに
思い出すから泣くのだろう
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