貰ったギフトは育成でした。
焔聖來
第一話 貰ったギフトはクソでした(前編)
「次,ノスタルジア。」
ここは12になる少年少女に
「ノスタルジア,君への贈り物はこれだ。それを最大限に生かせるよう,努力しなさい。」
胸を張り,贈り物を受け取る。
「ノスタルジア,お前の贈り物は?」
「今ステータス開くから待てって。」
どうせ兄と同じで異能剣術だろう。そう思っていた。
ノスタルジア・エーリック(12)
種族:人間 贈り物:育成
剣術:B-
魔法:B+
勉強:C
…嘘だろ?どこにも,どこにも異能剣術の文字がない。育成だって?そんなんじゃ剣士にはなれないじゃないか。
「お前,異能剣術じゃないのか。」
「…。」
言葉が出ない。これじゃ,家族に見せる顔がない。俺はエーリック家の子じゃないのか?
「ノスタルジア…ごめん,自分の贈り物をノスタルジアにあげれたらよかったんだけど。」
友達のステータスには異能剣術と書かれていた。なんだよ。ひどいじゃないか。
「まぁ,頑張れよ。」
友達は俺のステータスを見て笑い,帰ってしまった。
「ただいま。」
家に帰ると兄と両親が座っていた。
「贈り物は異能剣術よね?」
「違うよ。」
嘘はつきたくない。だから俺は嘘をつかず,両親,兄に贈り物は育成だったことを話した。家族ならわかってくれると思ったから。
「ははっ!お前捨て子だったんじゃねぇか?育成って(笑)」
「何かの間違いなんじゃないかしら。」
欲しかった反応とは違った。兄は腹を抱えて笑い,父は何も言わず部屋に戻った。本当に自分は捨て子だったのかもしれない。
「神託に話をしてくるわ。」
「お前そんな贈り物なら冒険者になれよ。」
家が暗く見えた。いつしか俺は自分の部屋に行き,荷物をまとめて窓から飛び出た。
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