第6話

私の理想を全て持ち合わせている瞳が羨ましい。



「…なに、そんなにじっと見つめて」


「私も瞳みたいに色っぽくなりたい」


「それはもう何度も聞いた。高望みするんじゃないの」


「うん、分かってる…」



私は背も小さくてヒールの無い靴を履くのが恐ろしいし、くりっとした大きめの目でよく童顔だって言われる。


何回中学生と間違えられたことか。せめて高校生なら許せたのになぁ。


私は誕生日を迎えれば、21歳になる大学二年生。



煙草はまだ吸ったことがないけど、お酒は飲んだことあるし。一杯飲んだら直ぐに眠くなっちゃうけど…。もっとお酒に強くなりたいなぁ。瞳はガンガン飲めるから最後までいつも付き合ってあげられない。



「そんなことより、本当にいいの?」


「何が?」


「まーくんのことだって」


「どうして?」



私の隣を歩く男は、次々に入れ替わる。


それを近くで見てきた瞳がこんなにも“まーくん”のことを掘り下げるなんて思わなかった。

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