登場人物(若者のみ)
・ルクスエ 推定18歳。
エンテムの町の戦士であり〈赤の戦士〉〈鮮血の戦士〉など別の町や村では言われているらしいが、本人は生活するのに精一杯で気にした事が無かった。
性格は真面目、誠実、頑固な所もあるが、紳士的で基本は穏健。夢も希望も憧れもなく、苦い経験の積み重ねから年のわりに非常に落ち着いている。
助けられていた面もあるが、捨て子だった時代によそ者として多くの子供や大人から虐めを受け、かなりのトラウマを抱え、人を避ける傾向があった。
性欲自体はある。カルアとの恋愛でプラトニックを貫き通したのは、受け入れる側であろう彼の意思を尊重するが故である。
自分が星の一族と呼ばれる特殊な人種と分かり、それについて興味を持ち、ずっと何かを燻り続けていたエンテムから巣立った。その後、タイラーの計らいによって幻獣調和団の一員となり、タイラーの隊で学者の護衛をしながらカルアに語学を習っている。
カルアは日に日に楽しそうに笑うようになり、とても満足している。
・カルア(本名デーヴィット)16歳
忌み子と呼ばれる色と力を持って産まれた少年。
学者の父と神殿の守り人の母、細工師になる予定だった兄に愛され育った。
カナヤダンティアと出会い、竜に対する興味を持ち始める。10歳になった時、ラダンの村を離れ、後見人であるタイラーのもとで世話になる予定だった。しかし、イヴェゼ達の策略によって家族は殺され、母似が災いし5年と11か月に渡る性暴力を受け続けた。
テムンが情報集めをしている際に、砂漠の地方に関する考察が出たのは、亡き祖母の出身地だったからだ。彼女の様に顔を布で顔を覆えば、旅の最中に石を投げられないと考え、それが癖のようになった。
性格は控えめで、思いやりがある。両親と兄に可愛がられていたので、甘えん坊で泣き虫な面もある。ファティマによって逃がされ、ルクスエに救われて以後は、もともとの性格が現れ始めた。
カルアの力について未知の部分は多いが、かなり強いらしい。
旅立ち以後、タイラーと相談し、安全を考慮して幻獣調和団に所属することになる。現在、学者になる為に勉強中。シャーロット達灯の子に教わって、なんとか力を使いこなせるように頑張っている。
本名もルクスエから貰った名前も大好き。本名を呼ばれると苦しかったが、今は両親と兄を思い出せる。
ルクスエといる時が幸せ。リシタやアレクアが一緒だともっと幸せ。夢に見た穏やかな日々を送りながら、成長している。
・アレクア 7歳。
走竜ロアルクのオス。小さい頃からよく食べ、よく走っていたので他の雄より少しデカい。走ることが生きがい。とても健康。たまに白目で寝ている。
底なしの体力と強靭な足を持ち、ルクスエと息の合ったコンビネーションで竜と戦っている。
日課はルクスエの寝癖を毛繕い出直す事だったが、群れに来た新しい子供(カルア)が来てから出来なくなった。若干不服だが、寝癖が無くてもやってる。日課過ぎて、ルクスエの方はいつもの事だと全く気にしてない。
群れに来た新しいメス(リシタ)に興味はあるが、子連れ(?)だしなぁと遠慮してアプローチしていない。エンテムを旅立って以後、アプローチしてイイっすか?とリシタに確認を取っている。
・リシタ 10歳。
走竜ロアルクのメス。卵の頃からカルアと共にいる。
とても賢く、カルアと以心伝心している。忌み子の力の影響もあるが、なかったとしてもカルアの苦しみを痛い程に感じ取っていただろう。
当初はやせ細っていたが、エンテムの生活で平均的な体格に戻った。
守らなくてはと強く思うせいなのか、自分の方が年下なのに、カルアを年下もしくは子供と認識している。そのためエンテムを旅立って以後、幻獣調和団のフィールドワークでは、食べられるモノ(虫、木の実など)をカルアにせっせと運んでいる。
アレクアに対しては、最初から悪い印象はない。下手にちょっかいを掛けてくることも、まとわりついても来ないし、なにより他の雄より体が大きく足が速いので見どころがあると思っている。
・テムン19歳
エンテムの町長アタリスの孫。ルクスエの親友であり良き理解者。
責任感が強く、思考深い。短気な所はあるが、其れを省みて直す柔軟さを持ち合わせている。また正義感が強く、幼い頃のルクスエを虐める子供を返り討ちにしていた。
アイアラとの結婚は親同士が決めた。周囲から、あんな愛想のない勝気な女は辞めとけと言われる事もあったが〈まぁ、アイアラの良さは、俺とルクスエが知ってればいいか〉と流し続けた。
カルアに対して最初こそ殺しにかかる勢いだったが、彼自身に罪はないとして考え直した。その後は良好な関係を築いた。
父は体が弱く、薬が効き難い体質だったため、流行り病で亡くなった。イヴェゼによる騒動の後、母との関係に亀裂は生じたが、絶縁したわけでは無い。育ててもらった恩から、ではなく次期町長として問題を起こす危険性からの見張りである。
ルクスエが唯一弱みを見せられる人物であり、旅立って以後も手紙のやりとりをしている。
・アイアラ 19歳
次期町長テムンの妻になる女性。ルクスエのもう一人の親友であり、カルアの友人。
フン、ふーんと鼻を鳴らすのが癖。
キツさと棘のある口調であるが、思いやりのある言動が多いので〈分かる人には分かる〉タイプ。母親としては、将来を考えて改めて欲しい。敵を作りそうで心配なのだ。
自分で見て判断するのがモットー。よそ者であった幼いルクスエや忌み子のカルアに対して、分け隔てなく接し、良き理解者となった。
ルクスエは女の子からの人気が高く、カルアとの同居の際には色々と彼女達から言われ、〈小さい頃のルクスエに石を投げたのは誰かしら?〉〈気になっていたなら、さっさと口説けばよかったじゃない〉など発言していたらしい。
色々と悪口を言われても、〈ルクスエとテムンが理解してくれるなら、それだけで充分〉と思っている。今は底にカルアとファティマも加わっている。
2人が旅立った後、カルアだけでなくファティマと手紙のやりとりをしている。いずれはラダンに行ってみたいと思っている。
・ファティマ 20歳
ラダンの村長イヴェゼの娘であり、絶世の美女。
猪突猛進で無鉄砲な所はあるが、思いやりの裏返しである。
彼女の初恋の相手であり、密かに婚約していたのがカルアの兄コンラッドである。異常な執着心と愛憎に溺れた父イヴェゼによって、婚約者も彼の家族も殺された。なんとかカルアだけでも助けたいと必死になったが、彼女もまた暴力に晒されていた。顔に傷が無い事、処女を守れたのは、利用価値があるとみなされていたから。
ルクスエによって竜が倒され、その宴によって牢屋の警備が薄くなった隙にカルアを逃がし、彼女もまた逃げた。
イヴェゼ達を懲らしめ、ラダン復興の手助けをしてくれる頼れる人を探し、視察中の国王を発見し、直談判しようとして捕らえられた。話の末に、麻薬の存在は見逃せず、なにより度胸のあるファティマを気に入った国王は協力してくれるようになり、作中に至る。
国王とはジジ孫のような関係なので、側室の話は出ていない。しかし、護衛を務める騎士とはイイ感じになったとかないとか。
ラダンへ戻って以後は、国とやりとりをしながら長い戦いに向けて頑張っている。アイアラとカルアから届く手紙が何よりも楽しみ。
赤鷲の戦士と黄金の雨 片海 鏡 @kataumikyou
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