第113話

外に出ると、もう空はオレンジ色になっていた。




アパートの外階段の上から、お祭りに行く親子連れや、自転車に乗った子どもたちがぽつぽつと見える。




「お祭り楽しみだね」


「うん!わたあめあるかな?」


「あるといいね」


「うん」




そんなことを話しながら階段を降りようとする私の前に、那由多が手を出した。




「はい」


「え?」


「靴じゃないから」


「あ、ありがとう」




そっか、草履だもんね。


転げ落ちたら大変。




那由多の手を取った。











何、これ。






ドキドキ。


ドキドキ。


ドキドキ。






私は不可解に暴れだした胸を押さえて、階段を降りた。

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