第74話

バタバタと音をたてて家に入ると、ママがすぐに顔を出した。




「でんわは!」


「うん……」




いつもと違って歯切れの悪いママにざわっと嫌な感じがした。




「あのね、零」


「なぁに?」


「さっき、電話きたの」


「きれちゃった?」


「うん」


「かけて!」




10時って言っても、いつもぴったりって訳じゃない。




ちょっと遅くなったり、出れなくてかけ直したりしたこともあった。




「それがね、駄目なの」


「なんで!?」




ちょっとムカムカして、食い付くように言ってしまった。

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