第44話

今日はどうしようかな。


すっきり甘くて冷たいの、か。




私はちょっとだけ考えてから、ひとつの瓶を選んだ。




選んだのは、ケニルワース。


癖が少なくてまるで果実みたいな甘い香りがする、ストレートでも飲みやすい私も好きな茶葉にした。




「お、はじめましてだよな」


「どうも」




私が作るお茶を決めて手を動かし始めると、気さくなカズさんが君に話し掛けた。


君は、穏やかに微笑んで応えてる。




「向かいのお店の方ですか?」


「そう、っていっても店より海のがよくいるけどね」


「へえ、今日も?」


「いや。残念ながら今日は満潮でさ」




楽しげに弾む会話。


私はグラスに氷を入れながら聞いていた。




……。




なんか、私に対してとはずいぶん違うよね。


すごく楽しそうなんですけど。

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