第25話

「……」




今度黙り込んだのはお客さんの方だった。




「どうぞ」




もう一回言ってみた。


ちょっとお返し。




「……」


「……」


「なんだ、これ」


「コーヒーです」


「いや、そうだけど」


「どうぞ、召し上がれ」




そう言って、更に指先でつつっと押し出した。




お客さんの目の前に小さくそびえ立つ、円筒形のよく冷えたそれ。


青いパッケージが印象的で、CMでもたまに見かけるそれ。




有名な飲料メーカーから発売されている、缶コーヒーを私は差し出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る