第52話

あいつらは、今までのクラスメートたちとはなんか違ったな。


胸がぎゅっとする嫌な感じがしなかった。




…。




なんだろう。


今までなら、誰にも邪魔されたくない、ほっといてくれって、それだけを思って逃げてきたのに。




あいつらとは、


俺、




少し話をしてみたいと思ってる。











明日本当にまたくるかな。




…くるといいな。











いつの間にか変化した気持ちに、自分でもちょっと戸惑う。


けど、楽しみなのは本心だから。




ちゃんと話してみよう、かな。




湯船に鼻の下まで浸かって、ブクブクと息を吐く。


家に帰ってから、何をしてもその事ばかり考えていた。




うん、


話してみよう。




弾けたお湯が鼻に入って、激しくむせながら、


俺はそう決めた。

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