第45話

それからも、俺は誰からの入部届けも受けとらなかった。


本当は断ったりして問題になるのかもしれないけど、そうならないで済んでいることにはほっとした。




先生のところにも入部届けを持った女子が行ったらしいけど、




“めんどくせぇから、佐久間に渡せ”




そう言って一蹴したらしい。


すげぇ。





実は先生って、かっこいいよな。


そういうところ。


俺はうんうん頷いて、ひとり納得していた。




そんなことをしていると、




「お前、1組の佐久間か?」




呼ばれて振り返ると、そこにはがたいのいい男子生徒がいた。


背は俺と変わらなさそうなのに、骨格ががっしりしてるためか、大きく見える。




制服についている校章をちらっと見ると、俺のと同じ色だった。


同学年、1年か。




「そうだけど」


「俺、3組の千葉 武」




それが武との出会いだった。

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