第22話

俺もほぼ無意識にその後に続いて走り出す。




「そりゃ、落ち込みますよ……」


「なんで?」




なんで、って。


それこそなんでそんなこと聞くんだよ。


俺は大きな溜め息を吐いた。




普通わかるだろ。




そうしたら、先生はほんとにわからないといった顔をした。


そして、




「なかったら、作りゃいい」


「え?」




さらりととんでもないことを言った。




作る、って……


……は?




「そんなに陸上部に入りたきゃ作りゃいい」




ってか、俺、




「え?いや……別にそこまで陸上部に入りたいわけじゃ、」


「なんだ、そうなのか」


「俺は、自由に走れれば、……それで」




そうだ。


別に部活なんか入んなくたって良いんだ。




ただ単に本気で走ってみたくなって、きっとそれができる場所は陸上部なんだろうなと思っただけなんだ。

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