第14話
今なんて言った?
「え?」
「ほら、行くぞ」
「ちょ、」
俺は慌てて土手から道路へ登る。
先生は俺が登りきるのを待たずに、また走り出した。
今、めんどくせぇって言われた?
俺は先生を追いかけて駆け出した。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」
先生の呼吸音を聞きながら後をついていく。
あんなに丸い身体なのに、先生のペースは思ったよりも速い。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
俺も息が上がってきて、同じように短い呼吸を繰り返していく。
車通りの少ない道は、歩行者かたまに自転車とすれ違う程度で走りやすかった。
それにしても、
なんで俺、
走ってんだろう。
今更ながらそんなことを思っていた。
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