第7話

男は地面に倒れ込んだが


まだ息は有る




膝をつくような形で

成光を睨み付けながら

見上げていた





「泣いて許しを乞えば

命だけは

助けてやろうか?」



成光は刃の先を

その男の血で濡れた首筋に


指すように向けた





「――今私を殺さなければ、


いつか私は

お前を殺しに行く」



男は手にしていた刀を

地面に置くと、



その手で

自分の懐から


赤い透明な

小さな石みたいなものを

取り出した




成光はそれを訝り見たが、



その赤い石は

この男にとって


お守りか何かなのだろう

と思った




殺される覚悟が

この男には

もう出来ているのだろう

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