口約束が叶わない。

下条 明夜夏

約束ね

それから、彼は、頻繁にお店に来るようになり、いつも私にビールを飲ませた。


断れずに美味しさのわからないビールをいつも我慢して飲んでいた。


そんな日が続き、私たちは正式にお付き合いをすることになった。


付き合ってからは、ほとんど毎日彼の家に泊まっていた。


まぁ、付き合いたてなんて愛を重ねないと病気にでもなるのかってくらいに

お互いの愛を感じていたいからね。


毎週末、二人でデートをした。ほとんど人の居ない博物館に行ったり、植物館に行ったり、ありきたりだけど二人で行くデートはどれも最高の思い出だった。


デートの後は決まって二人でビールを飲みにいく流れだった。私はビールが好きな彼に、お酒が苦手なことを言えずにいた。恋人の好きなものを私も好きになりたかった。


付き合って1年が経った。この一年で私たちは沢山の喧嘩をした。価値観が違う。

結婚はいつするのか。子供は何人欲しいか。

お互いの意見が違って喧嘩になることなんて日常茶飯事だった。

その度、またお互いの愛を確かめるようにして仲直りをした。


「もう、すっかり冬だね。そぉー言えば、あの公園で毎年盛大なイルミネーションやってるよね!龍とか!なんか色々さ!」


「あれね、一回は見てみたいよなぁ、今年行くか?」


「えっいいの?いこーよ!」


こうして、今年のイルミネーションに行く約束をした。


当日、朝目を覚まして、私は彼がトイレの蓋を閉めていないことを注意した。


彼は負けじと私がテーブルの上に置きっぱなしだった本を指差し、注意した。


そのままどんどん大きな声になり、次第に関係のない話になり、お互いに口を聞かなくなった。本当なら、今日のイルミネーション、一緒にいく予定だったのに。

なんで、こうなっちゃうかな。今年のイルミネーションは今日で最後なのに。


そして、私たちはお互いに別々でご飯を食べ、会話もせずに眠りについた。


夜中彼に起こされた。


「ごめんね。俺が向きになって言い返したりしたからこうなったんだ。反省してる。」


「ううん。私こそごめんね。いちいち細かいこと言って。」


こうして無事に仲直りの愛を重ねた。


「イルミネーション。終わっちゃったね」


「あぁ、来年は何があっても一緒にくぞ。」


「約束ね」

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