バレンタインデー
第77話
八千流、ハイド16歳。
八千流side
『約束』
久しぶりに会えるのっ!!
今日はバレンタインデーで、やちの大好きな人はきっと沢山沢山たっっっくさんチョコを貰う。
わかってる。
あの人の周りには綺麗な女の人ばかりで……。
やちはまだまだ子供で……。
でも今日は会えるの!!
今年のバレンタインはバレンタインデーにちゃんと渡せるの!!
今日は"帰る"って約束してくれた。
ドキドキドキドキ…。
心臓がっっ。
今日のために買ったワンピースを着て、家族の前でクルクル回る。
「やち、可愛い??可愛い??」
「可愛いわ~。さすが八雲さんの娘っ」
「俺とハイネの、だろ」
「八雲さんっ」
「はい、そこー、イチャイチャ禁止っ!!」
うちの両親はいつもラブラブ。
仲良し。
やちもこんな風になりたい。
「ハイドは??やち、可愛い??」
「普通」
「まっ!!ちょっと沢山チョコ貰ってるからってナマイキッ!!」
「チョコは関係ないだろ」
ピンポーーーーン。
家のチャイムが鳴る。
「はーーいっ!!」
やち、玄関へダッシュ!!
帰って来た!?
「はいっ!!おかえ……」
お帰りって言おうとした、でも……
玄関に立っていたのは待ち人ではなくて。
着飾った女の子二人だった。
「あっ、あのっっ!ハイドくん居ますか!?」
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