第74話

雪代さんとお風呂に入れてご機嫌だった双子は。



皆が揃って(雪代さんはお仕事で帰っていった)ご飯を食べてる時、今日の出来事をこれでもかってほど喋り、疲れたのか……



八千流は桂の膝で、ハイドは蓮くんの膝でご就寝である。




「寝た?」



「ああ」



「グッスリ」




二人は愛しそうに八千流とハイドの頭を撫でながら頷く。



そんな二人に缶ビールを渡し




「重いでしょ。ベッドに運」



「もう少し、このままで」




と、桂。




「俺も」




蓮くんも。




「じゃあ、お願いします」




ふふ。




本当にこの二人も伯父バカだ。



あたしは二人が座るソファーの二人の間に入り込み座る。




「なんだ、甘えっ子」



「蓮くんのここ、空いてますよ?」




桂に笑われ、蓮くんは自分の……ハイドの頭の乗ってない方の膝を叩いている。




「まだあたしは大丈夫だよ、蓮くん」



「……そうか」





おおぅ……蓮くんが寂しそうだ。



まぁ、蓮くんの膝枕はまた今度。




「二人とも今日は頑張ったもんね」




我が子達の頭をあたしも撫でれば……




「お前もな」



「いつもお母さんをしっかり頑張ってるな」




優しい声でそう言われ、あたしまで頭を撫でられる。



この人達に頭を撫でられるなんていつ振りだろう。




こんなにも嬉しいなんて。




「えへへ」



「他の3人は?」



「双子に選ばれなかったもんだから、拗ねてやけ酒中」



「ククっ」



「たまには俺が選ばれてもいいだろ」




……蓮くん、たまにって。



大丈夫、ハイドは蓮くんが大好きだよ。




ピンポーーン!!




お?お?お?



こんな時間に誰だ?




「ハー……」



「「シーーーーっ」」




つい大きな声で返事をしようとしたら、二人から口を塞がれる。




本気でっ!!



死ぬがなっっ!!



とワタワタしてたら、キッチンから八雲さんが出て来て、玄関へ行ってくれた。



そしてすぐに帰って来たその手には一枚のディスク。




「シゲさんがコレを届けてくれた」



「シゲさんは?」



「もう帰った」



「え!?」




シゲさん!?




そのディスクは、今日の双子のお使いを映したものだった。



皆が揃ってるなら、見たいだろうと。




ありがとう、雪代さん、シゲさん。




キッチンに居た竜希さんと麻也も呼んで、すぐにそれを見ることになったんだけど……

















雪代さぁぁぁんっ!!




なんであたしのちょいミスを結構撮ってるんですかー!?



てか、あたしのはミスした所しか撮ってないよねーー!!




ぬぐぐっっ



皆に爆笑されたのは言うまでもなく……



でも最後は、双子が雪代さんにお菓子をあげるとこを見て号泣したのだったー。




お酒がはいってるから、涙脆くなってるらしい。




大人5人が号泣。



あたしはそれを見ながら、幸せだと笑ったーーーーー。












八千流、ハイド、今日はお疲れ様。



また、お散歩行こうね。







お散歩END

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