第36話

ホッカホカホッカホカ。



二人から・・・ってか、あたしもかお風呂から出てすぐで体から湯気が上がる。



ほー。なんてソレを見上げてる二人。



お口が開いててなんて可愛い。



デジカメの出番。




「きもちよかったねぇ」



「きもかったねぇ」




‼??




「八千流‼それは違う‼違う言葉だ‼」



「へ?」




きもかったって、八千流・・・・。



八千流の方がお喋りは良くするけど、間違いが多いんだよね。




「き・も・ち・よ・か・っ・た・ね・ぇ」



「き・も・ちょ・か・っ・た・ね・ぇ」



「おしいっっ‼」



「ふむー。むじゅかしい・・・・」




違うと言えば、ハイドが八千流とオデコをくっつけて、ゆっくり教えてあげてる。



八千流の方がお姉ちゃんなんだけど、こういう時はハイドの方がお兄ちゃんみたい。




顔をしかめる八千流の頭を撫でて、何故か同じく顔をしかめてるハイドの頭も、良い子良い子と撫でる。



自分達で頑張るのは良いことだ。




「しっかし」



「しっかし」



「しっかし」




三人揃って縁側で空を見上げる。



さっきのようなゲリラ(ググった)豪雨じゃないけど雨はまだ降っていた。




「この後何しようか」



「んんー」



「こうえんいきたかったねぇ・・・・」



「「ねーー」」




立っているのもダルくて座れば二人が両方の腿にそれぞれ頭を預けてきて、しょんぼりする。



お昼を食べ終わった後は公園で遊ぶ予定だったもんね。



家で遊ぶんでも良いんだけど・・・・って‼




そうだ‼‼




「八千流、ハイド。お散歩行こう‼」



「おさんぽ‼??」



「まま。でも、あめよ??」




お散歩の言葉にギュンッと頭を上げる八千流に、あめなのよと首を傾げるハイド。




「この前パパに良い物買ってもらったじゃない‼‼」



「「あーーー‼‼」」



「ね」



「かしゃしゃん‼‼」



「かっぱしゃん‼‼」




ブワッと立ち上がる二人。




おおおぅ!

びっくりした!



そうなのです。



この前、八雲さんが仕事帰りに買ってきたのです。



可愛いくて絶対に二人に似合う・・・・と。



雨傘と雨合羽を。



我が子達には甘々なのです、あの人も。




「まま‼まま‼はやくはやく‼‼」



「かっぱしゃん、きるのよ‼‼はいど、かっぱしゃん‼‼」



「おおおおおおお落ち着け‼‼」




双子大興奮‼‼




よし‼では、準備をしましょうか。




「「ままーーー‼‼」」



「はいはーい‼‼」



「はいは、いっかいれしょ」



「はい。すみません」



「いいこいいこ」

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