第20話
麻也side
リビングに敷いた布団に、ハイネと双子がスヤスヤと眠ってる。
あの後、皆に遊んでもらってご機嫌だった双子は興奮して中々寝付かなかったけど、母親のハイネが先に寝てしまったのを見て、その横に二人して寝転ぶとすぐに寝てしまったという。
その様子にそこに居た皆が微笑んでた。
竜くんが寝室から布団を引っ張り出してきて、蓮くんが3人をそこに寝かした。
今日はここで皆で雑魚寝らしい。
チビ達の様子も見れるしな。
ハイネに出逢って随分時間も立った。
でも寝顔は変わらないまま。
幼く可愛いままだ。
そしてその横には、更に可愛い八千流とハイド。
俺も大概、兄バカで叔父バカか・・・。
「良い夢を」
3人の額にオヤスミのキスをして、俺はリビングの灯りを一番小さいのにしてそこを後にした。
ダイニングのドアを開ければ、蓮が何かを作ってて、桂が酒を注いでた。
3人を起こさぬよう静かな作業。
昔のあの騒がしさからは考えられない程の静けさ。
その中で唯一何もしてない竜くんが、俺が入ってきたことに気付いて笑う。
何年たっても、この人はカッコいい。
鮮やかだった金髪は黒くなり、短くなった。
そしてなにより警察官の制服が良く似合ってる。
でも、ここに来るのに制服はどーなの?
八千流とハイドが喜ぶからだと本人は言ってるけど。
まっアルソッ○みたいなもんだと思えば。
「お疲れ、麻也。どうだ?あいつらは」
「チビ達も熱もなくグッスリ寝てるよ」
「そうか」
柔らかく微笑む竜くん。
ペタペタと歩いて近付けば、自分の隣の空いてる椅子を引いてくれた。
「ありがと」
「麻也、呑むか?」
二十歳もすぎて、酒も呑めるようになったけど、まだ学生の身の俺は呑まないようにしてる。
「明日も学校だから止めとく」
「じゃ、コーラにするか」
桂がコーラを注いでくれて、蓮の料理が出来上がる。
さっき食べたばかりだけど、良い匂いが食欲をそそる。
「食えよ、育ち盛り」
「もー、さすがに終わったし」
「そうか?俺はまだ伸びてんぞ」
竜くん・・・すげぇ。
「まっ、積もる話しもあるだろーが」
桂が竜くんと蓮の前に酒を置き、自分も並々と酒を注いだコップを手に取る。
「久々の再会と」
「チビ達の成長と」
「ハイネが元気なことに」
「「「「カンパーイ」」」」
揃った声の後に、コップがカチーンと綺麗な音を立てた。
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