第22話 結婚

 ローさんとの話も有り平和なうちに結婚しようと決めた。未だに自信はないがこの世界に来てから一緒に居る人達だ。今まで大丈夫だったのだし、できれば一緒に居たい。これが愛か恋かと聞かれると分からないが少なくてもお互い好意が有りそうだし、短いかもしれない人生だから、できれば共に過ごしたい。


 翌日、モモ、ツバキ姉妹を呼び出した。今までの結婚に消極的だった言い訳をした後にまだそれでも俺と結婚してくれますか?の返事には全員「はい」と答えてくれた。まあ既にモモとは結婚してる事にはなっていたが正直何もしていなかった。傷付けるのが怖かったから。


  こちらの世界での結婚式を聞くと「そんなものはないが、神様に報告はする」らしい。でも一応この国の代表となっているから、士気を上げるためにも結婚式をしてみようと言う事になった。


 衣装、食べ物の準備も有り半年後の開催を予定した。先に神様に報告だけはしようとして皆で集まった時

目の前に人のようなものが現れたが、身動きが出来なかった。

「安心して。敵意は無いから。君が異世界から来てくれた人だよね。向こうの世界から聞いてる。結婚するの思ったより早かったね。最初は恋人を欲しがってると聞いていたが。まあ楽しんで貰えてるならいいけど。あと一つだけお願いが。出来たら戦争は終わらせてほしい。このままだと人間は滅び魔獣だけの世界となる。でもこれは命令ではなくお願いだ。出来たら頼む。その為に君の能力に成長に余地を付与するよ。出来たら協力をお願い」


 それだけ言うと去っていった。返事も出来なかった。しかし目標としては戦闘回避なので問題はない。どのような能力が増えるのか楽しみであったが、

他の三人は固まっていた。

「神様?さっき神様が私たちの前に?そんなわけないよね。何か言っていたけど覚えてないよ」

「何であの状況で普通に立っていられたの?」

と聞かれたが、「まあ二回目だから慣れかな?」と答えておいた。



 家に戻り皆と神が現れた時の話をした。特に新しい能力に期待していることも。

その時「そう言えば前にモモ姉さんとセートさんは一つになってましたね。あのようなことを私達にも出来ますか?」

「あれは救うためにやったことだし魔力消費も物凄いからな。でもそうだな、移動とかもし怪我しても”愛する皆と一つになったら”助けられるしな」

結婚したのだし愛すると言う一言を勇気を出して付けたが、結果としてはみんな消えた。


「あれ?消えた?なんで??」

(「これがセートさんの中ですか……確かに心地いいですね。出たくなくなるの分かります」)

(「今晩ここで寝てもいいよな?モモは長い間居たのだし。それとあれは何だ?何か居る?いや有るか」)

(「あっ、では姉妹にセートの中は譲るよ。私はセートの外側を頂くね」)


俺食べられるのかな?ドキドキしてますが初めてなんで。優しくしてもらえるかな?


なんて期待はすぐ消えた。モモはいつも通り一緒に寝ただけだ。

当然服は着てますよ。風邪ひきますからね……。

まあ式の前に新しい命が増えるのも問題が有るしね。


 しかしこの肌が触れる状態で寝ると言うのは変な意味ではなく安心できて良く眠れる。

柔らかい部分が触れたりで何とも思わないとは言わないが、それよりこの落ち着く感じが最高だ。


今の気分としてはこの幸せを守る為なら戦えるだろうと思う。

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