第20話 一発だけなら誤射かもしれない。狙ってませんよ。

 その後エロ爺さんではなくローさんとよく会った。日本の話が出来るのが嬉しかったみいたい。

「数百年で初めて前世の話が分かる人を見付けたんだ。年甲斐もなくはしゃいでしまった。今は少し反省している。だから……な、そこの三人睨まないでほしい」


 最近セートとよく話に来るエルフをモモとツバキ姉妹は警戒していた

一応俺とローさんは同じ世界の出身だと説明していた。心配なら近くで聞くか?と3人を呼んだ。

ローさんは「綺麗な子3人もつれて……大人しそうなのになかなか手が早いな」と笑いながら言った。

3人はそれぞれセートの妻ですと自己紹介したので、ローさんは

「もう結婚までしてたのか。さらに3人か。夜が大変だな。若いからって無理するなよ」と

話し始めは良かった良かった。しかし前世の話が始まると3人は大人しく聞いていた。


「退屈だったら別の事しててもいいよ」と言うと

「セートの前世がどのような世界か気にならないわけがない」と帰ってきた。


 それならとローとの会話を続けていくと話が酒や女の話になってきた。ローが経験したことを話していても気にしなかった3人だが、ローがセートをこの世界での遊びに誘い始めた時から事態は悪化した。


 「俺には大切な人たちが居ますから。今度お酒位なら少し飲みたいですね」

「多分セートを連れて飲みに行けば女の人が寄ってくるだろう。今度一緒に行こう」

3人のローに対する視線が冷たくなっていた。


「実際3人いるなら5人になっても変わらんだろ。日替わりで相手できるぞ」

この辺りで3人の視線に殺気が……

そこで上の謝罪となった。


 丁度その時街中まで一頭の魔獣が侵入したとの連絡が有り、ローは年齢のことも有り急げない。先に行ってほしいと言われ、4人で先行した。


 魔獣は素早く、街中なので魔法も使いにくい。逃げる人も多くいて混乱してた。

警備の兵にあの「あの建物の避難は済んでるか?」と聞いた。

俺から直線に進むと魔獣が居て、その先に建物が有った。

「既に避難を確認しています」

「弱い魔法を打つ皆少し離れて。多分こちらに来るから」


その後近くに人が居ないのを確認し、火事にならないよう水魔法で攻撃。当てるつもりだったが避けられた。攻撃してきた俺に向かってきたので久々の変態と10Hを使い腕を槍状にして突き刺した。


 無事に解決。とはならなかった。外した魔法が建物に当たり目線の高さに穴が開いた。周りの人はあれは仕方なかったと言ってくれたが、追いついてきたローだけは腕を気にしてた。

「その腕なんだ?魔法か?」

小さい声で「変態って言う魔法なんです」と答えた。


 言ってる間に建物の管理人が戻ってきた。この建物は若い女性の寮らしい。管理人に謝ろうとしたら、ローが先に行った。

「久しぶりだな。気持ちは分かるが戦闘で仕方なくだ。死者も出てないし討伐自体は失敗してない」

「あっ、誰かと思えばエロ爺じゃないか。犯人はお前か?更衣室の中が濡れて着替えが多数犠牲になったぞ。まあ洗えば使えるが。更衣室にのぞき穴なんか魔法使って作るなよ」

「儂じゃないぞ。着いた時には終わってた」

「じゃあ犯人は?」

「ごめんなさい。俺です。修理します」

「儂と違い彼は若い。女の子に興味が有って当然だろう。狙ってもそんな都合のいい所に当たらない。多分魔法がエロかったんだろう」


周りから、エロ魔法使い……だと、多数の女性が寄ってくると言う事は多分彼は凄い(何が?)魔法使いだなどと不穏な声が聞こえてきた。


 「あの本当に修理か賠償金払うので許してください」俺は謝るしかなかった。

「この位置しか直さなかったらそれはそれで不自然だ。これは提案だがな、君が今まで色々助けてくれてここの国の代表してる事は知ってるし、感謝してる。だから修理は此方でする代わりに、こちらの寮生を時間が有るときに遊びに連れて行ってくれないか?」

「それは構いませんが」

「それは良かった。身寄りのない子も多いんだ。悩みとか聞いてやってほしい」


 何かいい会話風に終わりえそうだったが、周りの反応は違った。

「え?あの煩いおば……お姉さんが簡単に許すだと?」

「これは何か考えてるな。大穴でお姉さんがセートを狙ってるとか?」

「おいおい年の差を考え……痛っ、石が飛んできた。どこからだ?」


 俺は見たお姉さんの投げる石は魔獣相手でも使える。手抜きしてあの速度と威力。恐ろしい。




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