第十八話:影の商人との対決! オカマ剣士、闇の根源を暴く

 影の商人の正体とその犯罪組織の本拠地が、ついに明らかになった。ジュンたち聖騎士団は、これ以上の犠牲を防ぐため、急遽作戦を開始する。目的地は山奥に隠された要塞。その存在は村人たちの間でもほとんど知られておらず、まるで幻のように語られていた。


「影の商人ね。どれだけ大物気取りか知らないけど、オカマ剣士ジュンにかかれば逃げ場はないわよ。」

 ジュンは剣の柄に手を置きながら、不敵な笑みを浮かべる。若い騎士たちの士気も高まる中、要塞攻略への準備が整えられていった。




 夜明け前、騎士団は要塞に向かって進軍を開始した。険しい山道を進む中、ライゼルがジュンに尋ねる。


「ジュンさん、本当にこんな少人数で大丈夫ですか? 相手は犯罪組織の拠点ですし、油断はできません。」

 その言葉に、ジュンは軽く肩をすくめて答える。

「心配しないで。数で負けても、あたしたちは正義の剣を持ってるわ。それに――」

 ジュンは背後の騎士たちを振り返りながら言葉を続けた。

「誰だって、理不尽を許せない時があるでしょ? それが今ってだけよ。」


 その言葉に、若い騎士たちは頷き、改めて決意を固めた。




 要塞は岩山の中腹に隠れるように建てられており、厚い石壁と鉄の門で守られている。その威圧感ある姿を見て、ライゼルが口を開く。

「ここが…影の商人の本拠地ですか。見た目以上に厄介そうですね。」

 しかし、ジュンは余裕の笑みを浮かべたままだ。


「ふん、どれだけ堅固でも、あたしたちが貫けば終わりよ。準備はいい?」

「はい!」

 騎士たちが一斉に剣を抜き、意気込みを示す。


 ジュンは先陣を切り、要塞の門前に立った。そして、全身の力を込めて声を張り上げる。

「影の商人! あたしは聖騎士団、そしてオカマ剣士ジュンよ! 今すぐ出てきて、罪を認めなさい!」

 その声は山中に響き渡り、要塞の内部にいる者たちも聞き逃すことはなかった。


 しばらくの沈黙の後、門の上に現れたのは、黒いローブを纏った男だった。その男は冷ややかな笑みを浮かべ、ジュンたちを見下ろす。


「ほう、ここまで来るとは思わなかったよ。だが、我々の力を甘く見ないほうがいい。」

 男の指が軽く動くと、要塞の内部から次々と魔物が解き放たれた。


「また魔物ね。あたしたちを止められると思って?」

 ジュンは剣を抜き、騎士たちに指示を出す。

「みんな、あたしが前衛で引きつけるから、魔物を各個撃破してちょうだい! あんたたちの力を見せて!」


 魔物たちが咆哮を上げて襲いかかる中、ジュンは冷静な動きでその攻撃をかわし、一瞬の隙を突いて鋭い一撃を浴びせる。若い騎士たちも次々に魔物を倒し、隊の連携が輝きを見せ始めた。



---


 戦闘がひと段落し、要塞内部へと突入したジュンたちは、影の商人が待つ広間へとたどり着いた。その広間には、豪奢な装飾が施され、まるで犯罪者の王宮のようだった。

「随分と派手な趣味ね。犯罪者にしては上等な部屋じゃない?」

 ジュンが皮肉を言うと、影の商人は冷笑しながら答えた。

「これは力を持つ者の象徴だ。お前たちのような正義の使者には、決して手に入らないものだよ。」


 ジュンは軽く鼻で笑い、剣を構える。

「力を振りかざして弱い者を支配するのは、ただの悪党よ。あたしの剣で、その歪んだ力、全部断ち切ってあげるわ!」


 影の商人も剣を抜き、魔法の力を帯びた光がその刃を包み込む。広間での一騎打ちが始まった。


 激しく打ち合う二人の剣。影の商人の攻撃は素早く鋭いが、ジュンはその動きを見切り、冷静に反撃する。一瞬の隙を見逃さず、ジュンの剣が相手の肩を斬りつけた。

「くっ…このオカマ剣士め…!」

 影の商人が後退しながら呻くが、ジュンは追撃の手を緩めない。


「男でも女でもない最強の存在、それがわたし♡ あんたのような理不尽は、あたしが許さない!」

 ジュンの決め台詞とともに、最後の一撃が影の商人の剣を弾き飛ばし、その場に膝をつかせた。



 こうして影の商人は捕らえられ、その犯罪組織も壊滅。要塞に囚われていた人々も解放され、地域には平穏が戻りつつあった。

 村人たちの感謝の声を背に、ジュンは騎士団とともに帰路につく。


「これでひとまず終わりね。でも、あたしの剣が必要なら、いつでも呼んでちょうだい。」

 ジュンの言葉に、村人たちは深く頭を下げた。

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ジュンの世直し剣舞録〜最強オカマ戦士の清廉な旅路〜 蒼空 @sometime0428

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