羊の詩集
亜夷舞モコ/えず
あたらしい詩
あめとかわと
液晶テレビから流れる
白と黒の雑多な濁流の中に
意味と実像を見いだす
渡れないカササギの橋を
ただ眺めているような占いコーナー
それならば阿弥陀か
おみくじの方が手っ取り早そうだった
あきらめて朝顔で行う花占い
スキ、キライ
花弁を抜き取り
がくを残して
スキ、キライ、スキ……
赤い花、青い花、
紫の花、透明な花、
キライ……透き――綺羅キラ、
している
一鉢使い切って結論づける
たぶんあの人は、わたしが好きなんだ
蕾と萎れた花を残して
そう理解する
そう決定する
しかし、理解はしても確証はなく、
分かっていても証拠がほしい
言葉がほしい
歯の浮くような言葉がほしい
並べ立てられた甘い言葉
竹藪に竹立てかけるがごとく
まるでドミノみたいに並べられた御託
それは、朝露のように甘くて
一日にとるには膨大すぎる
3000キロカロリーの言葉
舌先に触れただけで
蕩け
脳が揺れて
血糖値がスパイクする
倒れ伏し、
眠り伏してみる君のユメ
君の心の中のユメ
喉奥のユメ、口元のユメ
君の吐く言葉を腹の底から欲すれば、
今宵のユメは、甘い綿飴の羊
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