第32話
座敷へと向かい私を降ろし、お酒の用意をする。
二人分のお猪口に注がれる音が短くも癒される。
『…いただきます』
注がれたお酒を手に受け口に運ぶけど、慧悟さんの視線が強く伝わり中々飲めない。
「呑まないのか」
『いえ……』
慧悟さんは私の手からお酒を取り、自分の口に入れだした。
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