第6話 決着
僕たちはダンジョンにいた。
「いやぁ、最近有名になった『深淵の一瞥』さん達と一緒にパーティ組めるとかありがたい!」
ミツオがあからさまなおべっかを使う。
だが、その眼は笑っていない。
嫉妬に狂う奴の眼だ。
「ねぇ! タケルさんって好きな女の子はどんなタイプですか?」
明らかに取り入ろうとしているヒカル。
改めて見ると、何故僕はこんな奴らを信用していたのだろう。
既に最下層の二五階まで降りてきている。
ここのボスモンスター、キングトロールを倒せばダンジョン攻略終了。
次のランクのダンジョンに挑む許可を得られる。
あの二人は何も疑っていない。
ボス戦が始まった。
実は僕たちは二人で一度攻略している。
それを隠して今回挑んでいるので、不測の事態が起きても充分対応できる。
「よっしゃー倒したぁ!」
喜ぶミツオに近づく。
「おめでとう」
右手をだした差し出した。
「ありがとう!」
僕の手をがっちり握るミツオ。
『変化』のスキルで左手を一瞬で剣に変え、そのまま鳩尾から心臓方向に斜めに突きさした。
「な……なんで……」
「僕はね、勇者サダオだよ……君たちに復讐する為だけに地獄から戻ってきたんだよ」
ミツオは最後まで僕の言葉を聞く事もなく絶命した。
獲得したスキルは『不意打ち』だった。
「え? え? なんで? どうして?」
もう、話しかける気にもならない。
粗雑に、何も説明せずに、理不尽に死んでくれ。
指を長く針のようにして目を突き刺した。
脳まで届くから即死だろう。
スキルは『欺瞞』
彼女らしいスキルだったな。
「さてと、浄化お願い」
「……」
ユウキはフルフルと首を振る。
「アンデッドと人間じゃ相容れないよ?」
「じゃあ、私がアンデッドになります!」
「そんな方法ないよ」
「貴方はなってるじゃない! どこかに絶対あるから! だから…だから! それまで待って欲しいの!」
「……うーん、じゃあ見つからなかったら僕を浄化してくれるかい?」
「……」
ユウキが無言で頷く。
「しょうがないな」
彼女が飽きるまで、諦めるまで、もう少しだけこのままでいようかな。
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品はカクヨムコン参加作品です。
カクヨムコンは星の獲得が非常に重要になりますので、少しでも入れて頂ければ作者は泣いて喜びます。
長編も書いているので良ければ見てください!
https://kakuyomu.jp/works/16818093081579462826
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よろしくお願いします。
星いっぱい貰ったら続き書きます。(目安は100くらい)
パーティメンバーにNTRされた上にダンジョンで殺されました! 怨念でアンデッドになれたので復讐します! 山親爺大将 @yamaoyajitaisho
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