第14話

それでも――…。




「……ネオ。

ヴァンパイアは恐ろしい生き物なの?


私にはわからないわ。」



「……そうですね。

人の血を得て生きることは、僕達の呪われた習性。


それでも…昔と違い、今は人を襲うのではなく人と共生する道を選びました。



いくら僕達に力があっても、人間がいなければ生きていけません。


だからこそ、人を大切にしようと決めた一族を僕は尊敬します。」



誰よりも純粋な瞳で




「それに……僕は人が好きですから。争いたくなんかないです。



ちゃんと……守りたいです。」




「……そう。」




真っ直ぐに笑うネオといれば……自然と温かな気持ちになれた。




誰よりも優しく、綺麗な心を持ったネオを…恐ろしいなんて思えるはずがなかった。



それより、もっと。




「……ねぇ?教えて!

ネオのこと…もっと!」




「……え?」




「……知りたいの!」




傍に…近くにいたい。

そんな思いばかりが募って。




「そんな…僕のことなんて……。」



「命令よ!……ネオ!」



「……は、はい。

お嬢様……。」




ただ執事としてじゃなく



こんな風に、向き合って過ごす日々を確かに幸せに感じていた。

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