植木屋さん
その日は植木屋さんに来てもらって、伸び伸びになった枝を綺麗にしてもらっていた。
(ああ、今日はお母さんたち来ないといいなあ。)
なんで来てほしくないかっていえば、絶対に干渉してくるからである。
が、そう思ってると来ちゃうのよねえ、なぜか。
母の車が停まるのを見て、心の中で溜息をつく私。自分の親が来て憂鬱になる人って、日本中にどれくらいいるんだろうか。
そして、また憂鬱なのが、助手席に叔母が乗っていること。
私が淋しいから来れば喜ぶとでも思っているなら、本当、いらいない配慮だ。
ああ、植木屋さんになんか言わなきゃいいなあ思ってたら、案の定、叔母が植木屋さんのところへ歩み寄り、
「この梅の木をねえ@%&*@」
その後は聞こえなかったけど、勝手に指示し始めた。
(やめてよお!!)
植木屋さんとは、作業の前は、事前に打ち合わせをして、打ち合わせに従って作業してくれている。
それを作業の途中でちゃちゃをいれられたら、さぞやりにくいだろう。
それに家人にことわりもなく、勝手に指示することになんの躊躇もないのにも恐れ入ってしまう。
この植木屋さんは定額料金だったけど、業者によっては料金だって変わってくるのに、そんなことにも配慮できないのかと思うと悲しくなってくる。
止めに入るか迷ってたら、話し終わったようで家に入っていったけど、枝と一緒にこの関係性をカットできないかと、雑草を刈っていた鎌をじっと見つめた私だった。
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