第30話
<中絶同意書をここからダウンロードして 書いたら下の住所の郵便局留めにして送ってください>
事務的なメッセージにはしばらくして既読がついたけれど返信はなかった。
いつもすぐに返信をくれてたのに、こういうのは返信すらないんだ……
わたしが毎日のように泣いていることも、彼にとってはどうでもいいことなんだ。
<良かったね 18歳は成人の扱いになってて>
腹立ちまぎれに年齢を伝えた。
こんなふうな形で告げることになるなんて思ってもいなかった。
<わたしは18歳 高校3年生です 出会った頃は17歳でした>
何か、言ってくるかと思ったのに、既読がついただけで返信はなかった。
中絶同意書は速達で送られてきた。
それを郵便局で受け取って、自分の記入欄に記載を済ませると、封筒に入れてカバンの底板の下にセロテープで貼って隠した。
こんなもの家に置いておけないし、学校で万が一誰かに見られるわけにもいかない。
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