お姉ちゃんではないけどお姉ちゃんでもある私

数金都夢(Hugo)Kirara3500

私が大学に通うようになるまでのお話

 私はとある大学の情報工学部に通っています。AIシステムやプログラミングを勉強して将来は使いやすい家電やロボットの開発をしたいなと思っています。そんな私ですが、実は、お姉ちゃんから取り出した細胞から作られた卵子から生まれました。今年、成人式に行ってきたのですが私の晴れ着姿を見た両親は揃って号泣していました。私も無事育ったことを両親に感謝したいです。でもこの号泣には深い理由がありました。


 お姉ちゃんは四十年くらい前、小学生だった頃に歴史に残るようなというと少し大袈裟な感じがしますが、その業界ではそれ以降徹底的な対策が施されるような事故で亡くなりました。


 私を生み出した方法については、倫理的にどうのこうのという反対意見は当然ありましたが、子供が大人に育つ姿を見たかった両親はそれらを押し切りました。市役所はというと彼らはそもそもあの事故の当事者の一員で、発言権はないも同然で黙認する他なかったそうです。


 この辺の事情は私が大きくなってから知ったのですが、そのせいもあって子供時代を通じて野外経験のほとんどないインドア派になりました。それで体育の授業は苦手で渋々受けていました。そしてなぜかその体育の授業の特定のとある種目にものすごいトラウマがあってそのときだけは保健室にいたりしました。


 お母さんは本人的には表に出さないで隠すように努力しているつもりなのはわかるのですが、私がお姉ちゃんがしないような行動をしてしまうと、うっすら悲しげな表情をするのに気づいてしまい、それを見るのが辛くて、中学を卒業するくらいからはそういった行動をしないようにして、会ったことのないお姉ちゃんにできる限りなりきろうとするようになりました。


 高校に進学後、やっぱり体育の授業が肉体的というより精神的にきつくて他の科目て得点を稼いで卒業しました。お母さんはオンラインの高校にしたら?と言ってくれたのですが……でも、希望通りの大学に入れたので両親もホッとしたと思います。






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