第13話「運命の対決」



「決勝トーナメント、第一試合開始!」


中央広場が、興奮の渦に包まれる。

空たちのチームと、レインの風の一族が対峙していた。


「いよいよだね」

レインが微笑む。

「君たちの本当の物語、見せてもらおうか」


「ああ、見せてやる!」

空も応える。

「俺たちが掴んだ、新しい力を!」


チーム戦のルールは3対3。

最初の対戦は、空VSレイン。


「嵐を呼ぶ吟遊詩人!」

レインの切り札が現れる。

前回とは違う、より強い風が渦巻いていた。


「来い!紡ぎ手の戦士!」

空のカードが輝く。

戦士の姿も、以前より力強さを増している。


二つの物語がぶつかり合う。

剣と風の激しい戦いが始まった。


「風の一族の真の力、見せてやる!」


レインの背後に、巨大な風神が姿を現す。

吟遊詩人の奏でる音が、神々しい力を帯びていく。


「これが、伝説の一族の物語か……!」


空の戦士が押され始める。

観客席から歓声が上がる。


その時。


「空!」

アリアの声が届く。

「私たちの物語を!」


「ああ!」


戦士が新たな光を放つ。

アリアの銀の鳥とユウトの機械詩人が共鳴を始める。


「これは……!」

レインの表情が変わる。


三つの物語が交わり、新たな姿となって現れる。

銀の羽を持つ機械の戦士。


「行け!」


戦士の剣が、風神の力さえも切り裂いていく。


「やはり、君たちは……!」

レインの声に、歓びの色が混じる。


決着の瞬間。

眩い光が場内を包み込んだ。


「勝者、霧島空!」


歓声が沸き起こる。

しかしそれは、戦いの始まりに過ぎなかった。


クラウドが、冷たい視線を送っている。

「記憶の解放まで、あと少し」


その言葉の意味を、誰も理解していなかった。

まだ。

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