第10話
「古代魔法の脅威」
地下室の空間が歪む中、巨大なホログラムが浮かび上がる。
「これは...父の研究データ!?」
アイリスの声が震える。
画面には、マーケット家当主とトレード家当主の姿が映し出される。
「プロジェクト・エターナル・マーケット、実行開始」
「お父様...」
セシリアが絶句する。
「1000年前の記録...」
リザが解析を進める。
「両家が共同で、永久に安定した市場を作ろうとしていた」
「でも、それは大きな過ちだった」
エリカの瞳に決意の色が宿る。
「市場は、自由でなければならない」
クロードが膝をつく。
「私の『価格支配の魔眼』も、そのプロジェクトの一部...」
「全ては繋がっていた」
コウの左目が、未来と過去の景色を捉える。
「両家の野望、古代取引所の崩壊、そして未来からの警告...」
「でも、まだ間に合うピコ!」
ピコが必死に叫ぶ。
「リザ、プログラムを!」
コウの声に、リザが応じる。
「古代のファイアウォールを展開...でも、この演算力では!」
「私の『契約魔法』を使って!」
セシリアが水晶を掲げる。
「アイリス家の魔力も投入します!」
アイリスも力を注ぐ。
「クロードさん、あなたの力も必要です」
コウが手を差し伸べる。
しかし、その時、地下室全体が赤く染まる。
「警告! プロジェクト・エターナル・マーケット、最終段階へ」
巨大な魔法陣が床一面に描かれ始める。
「これは...」
エリカの記憶が完全に蘇る。
「1000年前、私が止められなかったもの」
「みんな、力を一つに!」
コウが叫ぶ。
全員の魔力が一点に集中する。
そして――
「バグを発見! でも、これは...」
リザの表情が変わる。
「人工的なバグじゃない。これは...」
「意思を持ったプログラム」
エリカが静かに告げる。
「古代取引所そのものが、意思を持ってしまったの」
轟音と共に、地下室の壁が崩れ落ちる。
その向こうには、想像を絶する光景が広がっていた。
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