第9話「システムバグの謎」



「侵入者排除システム、起動!」

リザの声と共に、地下室に無数の魔法防衛網が展開される。


「無駄だよ」

クロードが薄く笑む。

「この『価格支配の魔眼』は、全てのシステムを無効化する」


「それはどうかな」

コウが前に出る。

「僕の『市場予知の魔眼』が見抜いた、あなたの弱点を見せてあげよう」


瞬間、二つの魔眼が激しく輝きを放つ。


「リザ! 今よ!」

コウの合図で、リザが古代のプログラムを起動させる。


「これは...!」

クロードの動きが一瞬止まる。


「見つけたピコ! システムの異常ピコ!」

ピコが画面の異常な数値の流れを指摘する。


「エリカ、この感覚...」

アイリスがエリカに問いかける。


「うん...この流れ、どこかで...」

エリカの記憶が徐々に紐解かれていく。


「古代取引所のコアプログラム...」

リザが画面を凝視する。

「これは、意図的に仕組まれたバグ...!」


「セシリア、『契約魔法』で検証を!」

コウの指示にセシリアが応える。


「間違いないわ。このバグ、古代の契約魔法で作られている」


クロードの表情が徐々に変化していく。

「まさか、私をここまで操っていたとは...」


「クロードさん、あなたも操られていた」

コウが静かに告げる。

「本当の敵は、もっと深いところに...」


「古代取引所崩壊の真相...」

エリカの声が震える。

「私は、それを止めるために来たのに...」


突如、地下室の古代端末が起動を始める。


「警告! 未知のプログラムが実行されています!」

リザが必死でキーボードを叩く。


「これは...」

アイリスが息を呑む。

「父が研究していた禁断の経済魔法!」


画面いっぱいに広がる不気味なコード。

その奥に、想像を超える存在が姿を現そうとしていた。


「間に合わない...!」

リザが焦りの表情を見せる。


「いいえ」

エリカが決意に満ちた表情で前に出る。

「今度こそ、私が...」


次の瞬間、空間が歪み始めた。

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