第14話
「あ、しまった」
マンション下の公園で肉まんの匂いにつられて足を止めた私は、袋を覗き込んで思わず声を漏らした。
「二個買っちゃった」
いつも外や車で会っていた彼はコンビニに寄ると必ずタバコと肉まんをお願いと言った。
今思うと彼は妻帯者ゆえにあまり人目につかないように行動したかったのだろう。買いに入るのはいつも決まって私だった。
どうしたものかと袋を覗いたまま立ち尽くしていると、
「おねーさん、要らないんだったらそれ俺にちょーだい」
初めて聞く声に飛び上がった。
後ろを振り向くと、こっちこっちと公園から声が聞こえる。
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