気を置く仲

霜月 冬至

僕の終わり、俺の始まり。

「おはよう」

久しぶりにこんな時間に起きたな...なんて思いながら僕は独りごつ。

日課の運動のため外に出た。今日は快晴だ。

「昨日は...覚えてないな。」天気を気にするなんていつぶりだろう?

久しぶりに見上げた青空は結構綺麗に見える。


先日、僕のお爺さんの葬式があった。普通は悲しむものなのだろう。

ボケた人というのは人としての尊厳を失う。だから、早めに逝けた彼とその妻は

幸せだった、と彼が尊厳を失う行為両親にできた青痣を止めなかった臆病者は悲しまない理由言い訳を創る。僕の理由はみんなより、ましだと思いたいから。

葬式ではみんな悲しんでいた。まるで葬式の前の遺産の取り分争い、その時間が存在しなかったかの如く。両親が介護の中で見せた強烈な憎しみの籠った顔。

その後取り繕うように見せた慈愛の貌。

人の二面性とはかくも気色の悪いものなのか。

まざまざと見せつけられた気分だった。


こんな事があってようやくb...俺は学んだ。

これ二面性は人との関わりに必要なドレスコードなんだと。

漸く...ね。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る